当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

「いただきます」

 テーブルにはうちで見たことのない料理が並ぶ。

 華音がひとつひとつ説明してくれる。

「これはクヌーデルズッペ。パンとベーコンとチーズ、バジルをこねた団子の野菜スープ。よくOma(オマ)がつくってくれた。こっちはシュニッツェル。牛のカツ。添えてあるのは、イモのソテー」

「これ全部華音がつくったの? すごくおいしい」

「そういってくれて、うれしいヨ」

 スープの団子はカリカリに焼いたベーコンの香りが引き立っていて、噛むたびに口の中にうまみがひろがる。
 
 薄い牛のカツもバターで揚げてあって濃厚な味がする。