当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 放課後、自宅で私服に着替えてから華音の家に向かった。

 手には母さんから渡されたお土産がある。

 彼女の家で夕食をごちそうになるなら持っていきなさい……と、半ばおしつけられる形だった。

 約束の時間よりも十五分ほど早いけれど、遅れるよりはいい。

 チャイムを押すと、華音とレオがでてきた。

「いらっしゃいキョウジ」

「きょーくーん!」

「わわっ」

 レオはぴょこぴょこはねて僕の足にくっつく。

「きょーくん、みて。ぼくおやさいたべてるの。おっきくなったでしょ!」

「ほんとだ。こんなにすぐ大きくなるなら、僕、おいこされちゃうかもしれないな」

「えへへー」

 じっさい前にあったときより、レオの背は伸びている気がする。

 四歳って成長期だもんな。

「キョウジ、あがって。もうできてるから、すぐはこぶ」

「これ母さんから。かぼちゃのプリン作ったんだって」

 華音に保冷バッグを渡すと、華音が笑顔になる。

「うれしいよ。れいぞうこいれて、ごはんのあとで出すね」