当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 グッドマークのスタンプが飛んできた、と思ったら。

 花火デートの注意点から好感度アップのためのワンポイントアドバイス。

『小さい子連れで花火に行くなら、ここで見なさい!』

 と、マップナビアプリのリンクまで貼ってある。

 目が滑るくらい長文メッセージが届いてちょっと引いた。

 こんなに長いとぜんぜんワンポイントになってないよ、母さん。

「キョウジ、どしたの?」

「あ、ええと。母さんがあまり混まない穴場スポットを送ってくれた」

「それはうれしいね」

 そんなわけで、放課後いったん家で着替えてから、華音の家に行くことになった。

 誰かと花火を見る約束をするのは初めてで、なんだか胸がドキドキしている。

 それも、華音と行けるなんて、嬉しい。

 横井が彼女と花火だ! と朝からずっとテンションが高かったのも、理解できる気がした。