当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

「うん。……Papa(パパ)Mama(ママ)も、『迷子になったら困るから、もう少し大きくなってからにしたら?』って言ったけど、やだって泣くの。だからあたしがつれてくしかない」

 レオはまだ小さいから、一分でも目を離したらいなくなってしまいそうだ。

 御両親の言い分もごもっとも。
 
 そして、レオはまだ四歳だから、無理だよって言ってもわかってくれるわけもなく。

 行きたいとごねるのも仕方のないこと。

「…………キョウジ。めいわくでなかったら、一緒に花火行って、レオをみててほしい。キョウジはコンクールの練習しないといけないと思うから、むりならあきらめる」

 本当はお願いするかどうか、すごく迷ったんだろうな。
 ものすごく申し訳なさそうに頭を下げてくる。

 レオがすごく楽しみにしてるだろうし、華音も悲しませたくない。

 だから悩むことは何もなかった。

「うん、いいよ」

 レオの願いをなんとか叶えてあげたくて必死なんだなぁ、華音。

 ほんとうにいいお姉ちゃんだ。