当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

「響司くんにしろ沢くんにしろ、趣味の話になるとやたら饒舌になるんだね」

「あー。響司音楽のこと以外はあんま話さないもんな。部屋にテレビないって言ってた気がするし」

 俺は部屋にテレビあるし、風呂入るとき以外は常にテレビつけっぱ。

 正反対だな。

「俺としては響司にも布教したいんだけどな。ダンク語る仲間、募集中」

 葉月ちゃんはちょっと考えてから言った。

「ふーん。なら、ブルーレイ貸してよ。マンガは重たいから運びたくないし」

「お、見るか!?」

「おもしろくないなー、って思ったら一巻で返すから」

 つんとすまして、ドリブルを真似る葉月ちゃん。

「そう言う奴だいたいハマるから。バスケ部襲撃からが本番」

「ほんとかなぁ……」

 一巻くらいなら見ようかな~とか言っていた葉月ちゃんだが、その後一週間立たずにブルーレイを完走した。

 それ見たことかと笑ったら、自販機の牛乳を投げつけられた。