当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 それから昨日メッセージで話したとおり、バスケを教えることになった。

 体育館に入ると、何人かボールで遊んでるやつがいた。

 俺も用具倉庫に入ってバスケットボールを持ってきた。

「とりあえずやったことないなら、ドリブルとシュートかな。ボール持ったまんま三歩あるいちゃいけないんだぞ。だからドリブルでつなぐか、仲間にパスする」

「へー。そんなルールがあるんだ」

 手本にドリブルをして、目の前にあるゴールになげる。
 スパ、とネットをくぐって落ちてきた。

 葉月ちゃんは、ペチペチとやる気のない拍手をする。

「ダンク読んだら、だいたいの基礎知識はつくぞ。俺は小学生の時にダンク読んで覚えた。貸そうか」

「マンガへのリスペクトがすぎる!」

 すかさずつっこみが返ってきた。

「親父の本棚にあったからさ、一巻読んだらハマって一気読みした。ブルーレイボックスあったからアニメも全部見たし、親父と映画版も見に行ったぞ」

「ほんとーにバスケ好きなんだねぇ……」

 バスケ語りに呆れたのか、どこか遠い目をしている。