当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 女の子って、こんなに柔らかいのか。

 ……いや、だめだ。

 考えるな、僕。

 変に意識するなんて、華音に失礼じゃないか。


 華音はわかっているのかいないのか、いつもどおりの顔で巾着袋からサンドイッチのつつみとお弁当を出す。

 いつもの箱とは別の弁当箱もある。

 フタを開けると、出てきたのはキッシュロレーヌだった。

 ふわりといい香りがただよってくる。

「レシピ本読んで作ってみたよ。自信作。キョウジ、味見して」

 そう言って、華音はキッシュをフォークで刺して、僕の口元に差し出した。

「キョウジがおいしいって言ったら、明日からレオのおやつにするよ」

 思考が止まる。

 ……これってまさか。

「はい、あーん」