当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 これまで僕がしたことのなかった経験にあふれている。

 沢と友だちになってからは、たわいないを話す日が増えた。

 華音とお昼を食べる時間は穏やかで、レオの遊び相手をした日も楽しかった。

 華音と手が触れあっただけで、落ち着かなくなる。

 逃げたくなるくらい恥ずかしいのに、もっと触れていたいとも思う。


 みんなで放課後に勉強会をするのも、とても新鮮で。

 冗談をいいあいながら机に向かうなんて、中学までの僕じゃ考えられない。

 昔の僕と、今の僕は違う。

 大地先生が言った、「心は変わっていくもの」というのは、こういうことなんだろうか。