当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

「じゃあ、華音が眠るときは僕が弾こう」

 冗談半分で言うと、華音は頬を赤らめてはにかむ。

「ほんと? やくそくね!」

 こんなにも楽しみにしてくれるなら、叶えてあげたくなってしまう。

「……うん。約束」

 嘘の関係でも、この約束を守りたい。

 この瞬間が終わらないでほしい。
 


 華音は結果発表の時間まで残ってくれて、一緒に予選突破を喜んでくれた。