当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 昨日、嘘の恋人になろうと決めた僕ら。

 二人ともお付き合いというもの自体初めてだから、どうしたらそれ(・・)らしく見えるのか分からない。

 だからまずは、形から入ってみることにした。

 名前で呼びあって、昼休みを一緒に過ごす。

 二人になれる場所を探し、校庭の隅の木陰に腰を下ろした。

 華音も僕の近くに座る。

 巾着から二段の弁当を出して開くと、上段に母さん手作りのおかずがあらわれる。

 だし巻きたまご、ほうれん草のおひたし、ベーコン巻きのアスパラ。

 下段は味付け海苔をのせたごはんだ。