当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 沢くんと肩書きだけの恋人になってから、あっという間に金曜の放課後になった。

 おかずを分けるという名目で、響司くんと華音ちゃん含め四人でお昼を食べていた。

 ほんとに、嘘の恋人活動の中身はこれだけ。

 一緒にご飯食べるだけなら友だちと何も変わらないじゃん? って他の人にいわれそう。


 それから、料理の練習はうまくいかなかった。

 ウインナーは炭になるし、オムレツは底にこびりついてはがれなくなるし、散々よ。

 お母さんに「フライパン買い直すから、今月の小遣い減らすわね」とまで言われちゃった。

 ああ、華音ちゃんレベルのオシャレ料理のスキルがほしいよ。

 結局キュウリしか持ってこれない。

 沢くんは、文句言いつつも食べてくれた。
 パンだけの生活だと体に悪いし、キュウリもちょっとは小腹の足しにはなるよね。うん。

 響司くんにも食べてほしかったけど、響司くんのお弁当箱にはすでに、我が家からおすそ分けしたキュウリが詰まっていた。

 幼馴染なのがアダになったよ……。