当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

「沢。葉月は昨日、鍋を黒焦げにして大地先生に怒られてたんだよ。『火を使う料理はお前にはまだ早い。キュウリでも詰めとけ!』って」

「フォローになってねーだろそれ! 鍋黒焦げってマンガみたいなことホントにあるのか」

「ちょ! ばらさないでよ響司くん!」

 キュウリ弁当の裏事情を知って、沢がさらに笑い声を大きくする。

 華音はキュウリ弁当をじっと見て、にこにこ笑う。

「お野菜は体にいい。よかったね、サワ」

「キュウリオンリーだぞ!? 俺はカッパか!」

 間髪入れずにツッコミが飛ぶ。

 レオに野菜を食べさせようと四苦八苦している華音だから、感想もそうなるよな。

「華音ちゃんいいこと言うねー。そうだよ。野菜は正義なんだよ! キュウリはジャスティス! だからみんな食べて食べて!」

 援護射撃(?)を受けて葉月が調子に乗った。