当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 ほんの一瞬、全員に沈黙が落ちる。

 次の瞬間。

「ぶ、あははははは! なにこれウケ狙い? すっげぇー!」

 沢が腹を抱えて笑い出した。

「これキュウリ何本分? こんな弁当初めて見たんだけど!」

 笑いすぎて、目に涙まで浮かべている。

「……うるさいな。うちにはキュウリがあり余ってるの」

 葉月はほほをふくらませてそっぽを向く。

 実際、毎年この時期になると大地先生がおすそ分けだと言ってたくさんキュウリをくれる。

 奥さんの実家が農家らしい。