当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 勉強会のときのように、教室で向かい合わせに机をつける。

 華音は僕の隣に座り、きれいに包まれたつつみを開く。

 たっぷりのレタスにチーズにチキン。体に良さそうなサンドイッチだ。

 いつもどおり、緑黄色野菜たっぷりのオムレツもついている。


 僕も弁当箱のふたを外す。

 だし巻き玉子、焼き鯖、大根煮。

 今日もおかずがたくさんでありがたい。

 向かいの席では、沢が牛乳と、値引きシールのついたカレーパンを取り出す。

 いつも思うけど、運動部なのにパンひとつで足りるのかな。

 葉月は自分の弁当とは別に、大きめのコンテナ型保存容器を出した。

「…………おかずつくったの。たくさんあるから、みんな食べて」

 葉月がコンテナのフタを開ける。



 中身は、一面の緑。
 フタが浮くくらい、ぎっちぎちにキュウリだけが詰めてあった。