当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 天気いいなぁ。

 空を見上げると、真っ青な空に飛行機雲が伸びていく。
 ぜっこうのバスケ日和だ。
 コートに行ってシュート練習しよっかな。 

「沢くん、待って」

 ぼんやりしてたら、葉月ちゃんが追ってきた。

「え、なにかあったか?」

 聞くと、葉月ちゃんは深呼吸して、なにか決意した顔で言い出した。

「…………あ、あのさ。今週は、お弁当のおかず私が作ろうか。一応、まわりにつきあってるっぽく見せる必要があるでしょ」
「は?」

 予想外の提案をされたぞ。

「あんな約束、形だけなんだから、そんな無理しなくてもよくね?」

「いい? 作るメリットがあるの。今週はなんか理由をつけて四人でお昼を食べる。私は手作り料理を持っていく。多すぎるからみんなで分けよってことにしておけば、響司くんも食べてくれるかもしれない」

 葉月ちゃん、したたかだな。
 
「あー、はいはい。本命はそっちで俺は毒見役ね。そういうことならいいぜ」
「料理を見もしないうちから毒って言わないでよ!」

 避ける間もなくグーパンが飛んできた。
 親父がここにいたら絶対、アホって言われただろう。