当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

「うるせー、誰がアホだ。一応テストは最下位まぬがれてるから! 下から十番目だ!」

「威張ることじゃねえ。下位争いしてるうちはアホだアホ」

 親父がおふくろと話を終えてから、俺も写真に軽く手を合わせる。

 もう三年、これが日課になっている。

 起きたら顔を洗うのと同じくらいの感覚だ。

 限定弁当はやっぱウマイ。

 カツを先に全部食って、牛乳で流し込む。

「親父。また仮眠だけしに来た感じ?」

「おー、五時になったら青森まで配送行かなきゃならん。また何日かあける。悪いな、落ち着かなくて」

 親父はクタクタになったスケジュール帳を確認しながら答える。

 結婚する前、おふくろからのプレゼントらしい。

 俺が小学生になったばかりの頃、おふくろが言ってた。

 親父が大雑把すぎてあまりに予定を忘れるから、「ここに全部書いときなさい!」って怒って叩きつけたって。

 今でも大雑把なの変わってねーんだよな。
 予定もちょいちょい忘れてるし。