当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

「なあなあ葉月ちゃん。せっかくの機会だからさ、俺達一週間だけ、お試しで付き合ってみない? 合わないと思ったらただの友だちに戻る。どう? 嫌なら断ってくれてもいいよ」

 わざと茶化した感じで指を鳴らし、沢が提案する。

「おためし……って」

 葉月は探るような目をして、沢の様子をうかがっている。

 ちらりと僕と華音を見てから、頷いた。 

「いきなりこんなところで言われても、すぐにハイなんていえないよ。…………考える時間をもらってもいい?」

「よっしゃ! じゃあ昼飯んとき今後のこと話そうぜ!」


 沢は手を叩いて、さっそうとフラッグのほうに歩き出す。葉月もその後についていく。