当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 メンバーの半分が運動部だから、あっという間に置いていかれた。


 僕もひとあし遅れで、真っ白なカードがちらばるラインに着いた。

 迷っている時間が惜しい。

 十枚以上ちりばめられているうち、一番近くにあったものを拾った。

【髪が長い人】

 パッと華音の姿が頭に浮かんだ。

 考えるより先に足が動いた。

 女子たちの待機列に走って華音を呼ぶ。

「華音、来て!」
「は、はい!」

 華音が弾かれたように立ちあがる。

 華音の手を取ると、なぜかまわりの女子から黄色い声援が上がった。

 手を引いたまま、一着でゴールテープを切る。