当て馬の矜持 ー嘘吐きな僕らの協奏曲《コンチェルト》ー

 横井たちがゴールして、あとに続くように、華音がお父さんと一緒にテープを切った。
 
 次のレースは葉月がいた。
 カードを拾うと、迷うことなく、まっすぐにこちらに走ってきた。

「響司くん、来て!」

 必死な様子の葉月に、腕を引っ張られる。

「え、僕!?」
「はやく!」

 これはレース。迷っている暇はない。
 せかされるまま、葉月とゴールに走った。

 ゴールテープを切って、走り抜けた僕らに係の生徒が話しかける。

「引いたカードをみせてください」

「……は、い」

 葉月はその場にへたりこみ、答えるのもやっとの状態で、くしゃくしゃになったカードを差し出した。

「お題は【友だち】ですね。確認したので一番のフラッグの前に並んでください!」