「10年ぶりに再会した幼馴染みに掛ける言葉がそれ?」
「……いやいや! だってお前……ええっ!?」
(成長しすぎだろっ!)
あんなに小さかったのに、今や俺が見上げる立場になっていた。
「身長いくつ?」
「180」
「発育よすぎだろっ!」
俺は170でピタリと止まったというのに……。
「……本当に、まーくん?」
「そうだよ」
(嘘だああぁぁ!!)
思わず頭を抱えてしまった。目の前のデカイ青年と《まーくん》という愛称が、どうしたって結び付かない――まーくんって面じゃない、もう立派な優斗だ。
「やっと会えたのに、嬉しくないの?」
「……いや、嬉しいけどさっ!」
諸々のタイミングがすれ違い、今回の帰省でやっと再会できた。……が、10年という壁はあまりにも厚すぎた。
「……だって『大きくなったら結婚するー!』ってつぶらな瞳をキラキラさせた、子犬みたいなお前は……どこ!?」
目の前の幼馴染みは、もはや大型犬だ。
「……変わってないよ」
「え?」
「……いや」
まーくん――もとい優斗は、フッと柔らかに笑った。
「でも、今日会えてよかった」
「え、何で?」
優斗がニコニコ笑いながら指差す先には、花火大会と書かれたポスター。
「ああー……今日か」
「そう。京ちゃんと行きたかったんだ」
懐かしくもこそばゆい呼び名に、ピクリと肩が震えた。
「……その呼び方、やめない?」
どうも慣れない。俺を《京ちゃん》と呼ぶのは在りし日の子犬《まーくん》であって、目の前の大型犬ではない。
「じゃあ……京介さん?」
「……――っ」
耳元で名前を呼ばれただけなのに、なぜか背中がゾクリとした――あの甲高い少年の声ではない……俺の知らない、低い男の声に。
「……や、やっぱ京ちゃんでいい」
「あれ、そうなの?」
コッチの気も知らず、優斗はクスクスと笑った。
(……あーもうっ! 調子狂う……)
――16歳のガキンチョのくせに、生意気だ。
「……いやいや! だってお前……ええっ!?」
(成長しすぎだろっ!)
あんなに小さかったのに、今や俺が見上げる立場になっていた。
「身長いくつ?」
「180」
「発育よすぎだろっ!」
俺は170でピタリと止まったというのに……。
「……本当に、まーくん?」
「そうだよ」
(嘘だああぁぁ!!)
思わず頭を抱えてしまった。目の前のデカイ青年と《まーくん》という愛称が、どうしたって結び付かない――まーくんって面じゃない、もう立派な優斗だ。
「やっと会えたのに、嬉しくないの?」
「……いや、嬉しいけどさっ!」
諸々のタイミングがすれ違い、今回の帰省でやっと再会できた。……が、10年という壁はあまりにも厚すぎた。
「……だって『大きくなったら結婚するー!』ってつぶらな瞳をキラキラさせた、子犬みたいなお前は……どこ!?」
目の前の幼馴染みは、もはや大型犬だ。
「……変わってないよ」
「え?」
「……いや」
まーくん――もとい優斗は、フッと柔らかに笑った。
「でも、今日会えてよかった」
「え、何で?」
優斗がニコニコ笑いながら指差す先には、花火大会と書かれたポスター。
「ああー……今日か」
「そう。京ちゃんと行きたかったんだ」
懐かしくもこそばゆい呼び名に、ピクリと肩が震えた。
「……その呼び方、やめない?」
どうも慣れない。俺を《京ちゃん》と呼ぶのは在りし日の子犬《まーくん》であって、目の前の大型犬ではない。
「じゃあ……京介さん?」
「……――っ」
耳元で名前を呼ばれただけなのに、なぜか背中がゾクリとした――あの甲高い少年の声ではない……俺の知らない、低い男の声に。
「……や、やっぱ京ちゃんでいい」
「あれ、そうなの?」
コッチの気も知らず、優斗はクスクスと笑った。
(……あーもうっ! 調子狂う……)
――16歳のガキンチョのくせに、生意気だ。


