「休みの日なのに手伝ってもらってごめんね」
「パートの人がお休みだから仕方ないよ」
基本的には平日の学校終わりのみ手伝っているが、休みの日や祝日は近所の主婦が休みなのもあり、僕がお昼から手伝っている。
「母さん、お弁当詰め終えたよ」
「さすが我が子ね」
「毎日お弁当を欠かさず作っているからね」
「いつも助かってるわよ」
中学生になった時からお弁当を自分で作り始め、今は高校2年生だから、すでに4年も経っているのか。
今ではお店のお弁当も詰めるようになり、前より見た目にも気を使うようになった。
お昼前になると少しずつお客さんが増え始めるため、それに合わせて我が家の惣菜屋も開店する。
「いらっしゃいませ! 出来立てのお弁当はいかがですか!」
ただ、この商店街付近では祝日に働く人も少ないため、平日よりかはお客さんの姿は少ない。
僕は時折、通りかかる人に声をかけながら、お客さんが来るのを待っていると、遠くから知っている声が聞こえてきた。
「よっ! お店に来てやったぞ!」
「買わないやつはお客さんじゃないからな」
お店にきたのは悠人を含む数人のバスケ部の部員たちだ。
悠人以外あまり関わりもないため、特に話すことはないが、みんなお惣菜に目が向いていた。
お腹が空いているのだろう。
「部活終わり?」
「ああ、今日は午前練だけだからな」
どうやら午前で部活が終わったようだ。
この間、部活の時間も法律で決められているって言ってたっけ。
「あら、悠人くん久しぶりね」
「あっ、おばさん! コロッケ一つください」
「いつも直と遊んでくれてありがとうね。サービスしちゃうわ」
そう言って、母はたくさんのコロッケを包装紙に包んで渡していく。
一緒に来ていたバスケ部の部員も驚きながらも受け取っていた。
「母さんのおせっかいだから気にしなくていいよ」
「いや、それは悪いからな」
トレイにお金を置き、両手にコロッケを持って食べていく悠人たち。
「じゃあ、また来るわ!」
「ああ、お疲れ!」
両手にコロッケを持って歩く同級生たちを見送る。
「やっぱり普通は自分で食べるもんなんだよな」
昨日の王子様の姿を思い出し、思わず苦笑する。
「何か面白いことでもあった?」
顔を上げると、声が聞こえてきた。
そこにはお弁当を手に持った王子様がいた。
いつの間に来たのだろうか。
それにしてもうちのお弁当なのに似合わないね。
「お弁当も売っているんだね」
「お昼はお弁当がメインで、夕方からはお惣菜がメインになりますね」
王子様は真剣な顔をしてお弁当を手に持ち選んでいた。
やはり食べることが好きな人なんだろう。
「買う前に食べたらダメですよ」
「くくく、さすがにそこまで食いしん坊じゃないよ」
優しく微笑む王子様の破壊力に僕も圧倒されそうになる。
ただ、食いしん坊ではないって言いつつも、昨日は僕の手からコロッケを食べていたけどな……。
「休みの日も働いているの?」
「基本的に手伝ってますね」
「手伝ってる?」
「ええ、ここのお店は母さんがやっているところなので」
王子様は看板をジーッと見つめてから、僕の方に視線を向けた。
「うちの名字が小川なんです」
「そうか」
このお店の名前は〝小川惣菜店〟だ。
だから、店名が気になったのだろう。
謎がわかったからか、嬉しそうに王子様は笑っていた。
「おすすめはどれ?」
「どれもおすすめだけど……」
手に持っている唐揚げ弁当とお魚弁当が気になったのかな?
大きな唐揚げがゴロゴロ入っているから、うちの惣菜店でも人気の商品だ。
それに部活終わりなら、尚更ボリュームがある方がいいだろう。
「僕は唐揚げ弁当の方が好きかな」
「じゃあ、こっちにする。あとコロッケも一つ」
「コロッケも!?」
どちらも揚げ物である唐揚げ弁当とコロッケを買っていた。
両方揚げ物なのは気にならないのだろうか。
僕の中では、もう食いしん坊な証拠だと思うんだけどね。
「コロッケは食べていきます?」
僕の言葉に王子様は頷いた。
「ありがとうございます」
お弁当を入れた袋を渡したあと、包装紙に包んだコロッケを差し出した。
王子様は右手にお弁当、左手には財布を持っていた。
まさかとは思ったけど、王子様は気にする様子もなく、そのままコロッケをぱくりと口にした。
「あっ……」
「ご、ごめん!」
僕の言葉に慌てて一歩下がる王子様。
「ふふっ。またやっちゃいましたね」
そんな様子に僕は思わず吹き出してしまう。
「ついつい……」
耳まで赤くしながら笑う姿は、学校で歓声を浴びている"王子様"とはまるで別人だった。
やっぱりこの人って食いしん坊でどこか大型犬ぽいんだよね。
「お茶もいりますか?」
「ありがとう」
コロッケは直接食べるのに、お茶は財布を置いて紙コップを手に持っていた。
「やっぱり美味しいな……」
どこか変わった王子様だけど、よほどコロッケが好きなのかな?
「パートの人がお休みだから仕方ないよ」
基本的には平日の学校終わりのみ手伝っているが、休みの日や祝日は近所の主婦が休みなのもあり、僕がお昼から手伝っている。
「母さん、お弁当詰め終えたよ」
「さすが我が子ね」
「毎日お弁当を欠かさず作っているからね」
「いつも助かってるわよ」
中学生になった時からお弁当を自分で作り始め、今は高校2年生だから、すでに4年も経っているのか。
今ではお店のお弁当も詰めるようになり、前より見た目にも気を使うようになった。
お昼前になると少しずつお客さんが増え始めるため、それに合わせて我が家の惣菜屋も開店する。
「いらっしゃいませ! 出来立てのお弁当はいかがですか!」
ただ、この商店街付近では祝日に働く人も少ないため、平日よりかはお客さんの姿は少ない。
僕は時折、通りかかる人に声をかけながら、お客さんが来るのを待っていると、遠くから知っている声が聞こえてきた。
「よっ! お店に来てやったぞ!」
「買わないやつはお客さんじゃないからな」
お店にきたのは悠人を含む数人のバスケ部の部員たちだ。
悠人以外あまり関わりもないため、特に話すことはないが、みんなお惣菜に目が向いていた。
お腹が空いているのだろう。
「部活終わり?」
「ああ、今日は午前練だけだからな」
どうやら午前で部活が終わったようだ。
この間、部活の時間も法律で決められているって言ってたっけ。
「あら、悠人くん久しぶりね」
「あっ、おばさん! コロッケ一つください」
「いつも直と遊んでくれてありがとうね。サービスしちゃうわ」
そう言って、母はたくさんのコロッケを包装紙に包んで渡していく。
一緒に来ていたバスケ部の部員も驚きながらも受け取っていた。
「母さんのおせっかいだから気にしなくていいよ」
「いや、それは悪いからな」
トレイにお金を置き、両手にコロッケを持って食べていく悠人たち。
「じゃあ、また来るわ!」
「ああ、お疲れ!」
両手にコロッケを持って歩く同級生たちを見送る。
「やっぱり普通は自分で食べるもんなんだよな」
昨日の王子様の姿を思い出し、思わず苦笑する。
「何か面白いことでもあった?」
顔を上げると、声が聞こえてきた。
そこにはお弁当を手に持った王子様がいた。
いつの間に来たのだろうか。
それにしてもうちのお弁当なのに似合わないね。
「お弁当も売っているんだね」
「お昼はお弁当がメインで、夕方からはお惣菜がメインになりますね」
王子様は真剣な顔をしてお弁当を手に持ち選んでいた。
やはり食べることが好きな人なんだろう。
「買う前に食べたらダメですよ」
「くくく、さすがにそこまで食いしん坊じゃないよ」
優しく微笑む王子様の破壊力に僕も圧倒されそうになる。
ただ、食いしん坊ではないって言いつつも、昨日は僕の手からコロッケを食べていたけどな……。
「休みの日も働いているの?」
「基本的に手伝ってますね」
「手伝ってる?」
「ええ、ここのお店は母さんがやっているところなので」
王子様は看板をジーッと見つめてから、僕の方に視線を向けた。
「うちの名字が小川なんです」
「そうか」
このお店の名前は〝小川惣菜店〟だ。
だから、店名が気になったのだろう。
謎がわかったからか、嬉しそうに王子様は笑っていた。
「おすすめはどれ?」
「どれもおすすめだけど……」
手に持っている唐揚げ弁当とお魚弁当が気になったのかな?
大きな唐揚げがゴロゴロ入っているから、うちの惣菜店でも人気の商品だ。
それに部活終わりなら、尚更ボリュームがある方がいいだろう。
「僕は唐揚げ弁当の方が好きかな」
「じゃあ、こっちにする。あとコロッケも一つ」
「コロッケも!?」
どちらも揚げ物である唐揚げ弁当とコロッケを買っていた。
両方揚げ物なのは気にならないのだろうか。
僕の中では、もう食いしん坊な証拠だと思うんだけどね。
「コロッケは食べていきます?」
僕の言葉に王子様は頷いた。
「ありがとうございます」
お弁当を入れた袋を渡したあと、包装紙に包んだコロッケを差し出した。
王子様は右手にお弁当、左手には財布を持っていた。
まさかとは思ったけど、王子様は気にする様子もなく、そのままコロッケをぱくりと口にした。
「あっ……」
「ご、ごめん!」
僕の言葉に慌てて一歩下がる王子様。
「ふふっ。またやっちゃいましたね」
そんな様子に僕は思わず吹き出してしまう。
「ついつい……」
耳まで赤くしながら笑う姿は、学校で歓声を浴びている"王子様"とはまるで別人だった。
やっぱりこの人って食いしん坊でどこか大型犬ぽいんだよね。
「お茶もいりますか?」
「ありがとう」
コロッケは直接食べるのに、お茶は財布を置いて紙コップを手に持っていた。
「やっぱり美味しいな……」
どこか変わった王子様だけど、よほどコロッケが好きなのかな?



