それでは、多数決をとります。

 お前が全部悪い。
 みんながそう言って、姉を責めていた。
 わかったふうに「友達に隠し事するなんてサイテーだよね」とか、「そもそも親友の好きな人を横取りするのが終わってる」とか、「自分が悪いと思ってないのかな?」とか、「やっぱり友情より愛情ってやつ?」とか、「コイツマジでムカつくわ」とか、「どんな気持ちだったか思い知れよ」とか。
 何にも知らない奴らが、蔑んだ目で好き勝手に罵っていた。暴力を振るっている奴もいた。自分こそが正しいと信じて疑わない強い口調で、さも偉そうに自身の主張を叫んでいた。
 虫唾が走る。
 あんな奴らのせいで、姉は人生を壊された。
 姉だって好きで隠し事をしたんじゃない。好きで親友の好きな人を横取りしたんじゃない。
 罪悪感に押し潰されそうになっていたし、何度自分を責めていたかわからない。
 けれど、奴らはそんなのはお構いなしとばかりにどんどん味方を増やし、数の力でもってさらに責め続けた。
 姉は否定していなかった。というより、できなかったのだと思う。
 だって、少なくとも根本にある出来事は、事実だったから。
 それでも、アイツらは間違っている。
 どんな理由があろうとも、多数でたった一人を傷つけていいわけがない。
 憎い。憎い憎い憎い憎い憎い憎い。
 だから、復讐がしたい。
 アイツらにも、多数から責められる気持ちを味わわせてやりたい。
 そして、姉の無念を晴らしたい。
 自分はどうなっても構わない。むしろ、あの時姉に寄り添えなかったのだから、殺されても仕方がないと思っている。
 同罪だ。きっと、姉からは恨まれていると思う。
 でも、やっぱり姉のことが好きだ。大切だった。
 だから、赦せない。
 
 どこまで本当なのか知らないけど、どうか協力してほしい。
 命でも何でもくれてやる。
 だから、どうか、お願い。
 みんなを、殺して。