葬儀屋の息子ですが、親友が成仏してくれません!




式は滞りなく進んでいった。
参列者は次々と焼香台の前に立ち、涙を拭いながら手を合わせていく。

「まだ若いのに……」

「交通事故やったんやろ?」

「可哀想に……今からやのになぁ……」

すすり泣きの合間に、ひそひそと囁かれる噂話が耳に届く。誰も悪気があるわけじゃない。
ただ、穂高の死を、それぞれのやり方で受け止めようとしているだけだ。
俺たち幼馴染み三人は、親族席に近い場所に並んで座りその光景をただ黙って見ていた。
幽霊の穂高の姿は見えない。けれど、近くにいることはなんとなく気配でわかる。

――俺まで変な能力手に入れてもーとるやんけ……怖っ……

あらかた焼香が終わった頃、司会の人がマイクを持った。

「それでは、ここで故人を偲び、生前のお写真をご覧いただきたいと思います」

会場の照明が落ちる。ざわめきが静まって、代わりにスクリーンの光だけが浮かび上がった。
流れ始めたのは、生まれたばかりの穂高の写真。くしゃくしゃの顔した赤ん坊が、白いふわふわの服にくるまれてすやすや眠ってる。
すると、どこからともなく穂高が俺のそばに降りてきた。

「この頃の俺、可愛すぎひん?」

――なんて、ぬかしてくる。クソが。

写真がめくれるみたいに切り替わって、幼稚園の制服着てはにかむ穂高。
次に小学校の入学式でランドセル背負って緊張しまくってる俺と穂高が映る。

「しーちゃん、ずっとお腹痛いって言うとったよな。繊細ちゃんやなぁ」

――絶対話しかけんなって言うたのに。

スクリーンでは一枚、また一枚と、穂高の時間が流れていく。
穂高はこの状況を楽しむみたいに、いちいち写真にコメントしてきた。
そして、スライドが少し止まったかと思うと、次に流れたのは動画だった。
俺といち、直くん、それから穂高。高一の夏休み、穂高の家の駐車場で花火をした時のやつだ。
四人でアホみたいにはしゃいで、最後は穂高のお母さんに怒られるところまで、ばっちり映ってる。

――ちょうど、一年前の夏だ。