嘘つき優等生~本音が言えない私を救ってくれたのは、ある秘密を抱えた君でした~

「ハア、ハア……」
 (そら)くんに教えてもらったあの丘へと急ぐ。
 そこに、彼がいる気がしていた。
 もうすぐだ。
 もうすぐで、絵を描いた場所に……。
「ハア、ハア……。(そら)、くん……。ハア」
「ほ、(ほし)⁉なんで……」
(そら)くん、ごめん」
 (そら)くんはいた。
 ベンチに座っていた。
「私、心の整理がつかなくて、避けちゃって……」
「謝るなよ。そりゃそうだろ。家族が自分のせいで死んだって分かったら、そうなるのが当然だろ」
 少し寂しそうな目をしながら、彼はそう言った。
「そうかもしれない。……お姉ちゃんのこと、すごく、悲しかった。(そら)くんに聞いた時も、ショックだった。(そら)くんがいなければ、とも思った」
 (そら)くんが傷ついた顔をしているのを見ると、後悔の気持ちがせりあがってきた。
 本音で話せ、とは言ってくれたけど、存在を否定されたら、悲しいよね。
「……でも、私が(そら)くんに救われたのは事実だから。それに、恨むなら、(そら)くんじゃなくて、あのトラックを運転していた人だよなー、とも思ったの。だから……。これからもよろしく、(そら)くん」
(ほし)……。うん、よろしく」
 差しだされた手を、私は、しっかりと握った。