嘘つき優等生~本音が言えない私を救ってくれたのは、ある秘密を抱えた君でした~

「……涼葉(すずは)
実柚(みゆず)……」
 放課後の美術室。
 私はそこで、涼葉(すずは)を待っていた。
 ちゃんと、話がしたいと思ったから。
「話があるの」
「……分かった」
 私たちは、美術室を出て、渡り廊下で立ち止まった。
「話って……?」
「この前のこと、ちゃんと謝りたくて。……ごめん」
「……私こそ、ごめん」
涼葉(すずは)は悪くないよ!私が、全部……」
「分かってたんだ。実柚(みゆず)が、他の子たちにそう言われて、『うん』って言うしかなかったってこと。……でも、裏切られた気がして、悲しくて……」
 涼葉(すずは)の目に、大粒の涙が浮かぶ。
「あの時、ちゃんと話を聞かなくて、ごめんね」
「謝らないでよ、涼葉(すずは)。……私もごめん。あの時、佐伯(さえき)さんたちに、もっとちゃんと……」
実柚(みゆず)には無理でしょ?みんなに好かれようとしてるんだから」
「……ごめん」
 涼葉(すずは)が微笑む。
「ねえ実柚(みゆず)。私たちって、親友だよね?」
「当たり前じゃん!親友だよ。大親友だよ!」
「それが聞けて、良かった」
 私たちは、今まで、喧嘩とか、そういうことをしたことはなかった。
 だから、仲直りの仕方も、よく分かっていなかった。
 ……きっと、これで今までよりも仲良しになれただろうな。
「さ、戻ろっか」
「あ、ちょっと待って。……実は、相談したいことがあって……」