嘘つき優等生~本音が言えない私を救ってくれたのは、ある秘密を抱えた君でした~

「おかえり、詩悠(しはる)ちゃん。……あら?どうしたの?具合でも悪いの?」
「……ただいま。……ううん。大丈夫だよ」
 家に帰ると、お母さんは録画していたドラマを見ていた。
 階段を上って、部屋に入る。
 ベッドに倒れ込む。
 私は、(そら)くんに聞いたことを、思い出していた。


『……あるよ。事故に遭ったこと』

『その時、誰かに助けられた?』

『うん』

『それは、十五歳くらいの、女の人?』

『……うん』

『やっぱり、そうなんだ……』

『……写真見たの?』

『……うん、そう』

『そっか……』

『うん……』

『そうだよ。……俺は、お前の姉ちゃんに助けられた』


 私があの日、(そら)くんの家で見つけたのは、“迷子の男の子”だった。
 そっくりだったのだ。
 お姉ちゃんが庇った、“迷子の男の子”に――。