嘘つき優等生~本音が言えない私を救ってくれたのは、ある秘密を抱えた君でした~

 涼葉(すずは)と話せなくなって、もう一週間。
 メッセージを送っても、未読無視だ。
「はあ……。もう、最悪……」
 でも、あの時、どうしたら良かったのかが分からない。
 涼葉(すずは)は冷たくなんかない、って、そういえば良かった?
 だったら、私は彼女たちからどんな目で見られるの?
 ……私が、空気読めない奴になるの?
 そんなの、嫌だ……っ。
「もう、嫌だ……」
 こんな自分が大嫌い。
 みんなに良い顔をして、嘘をついて、……大切な人を傷つけて。
 もう、こんな私なんて――。
「何してんの?」
「……(そら)くん」
「珍しいじゃん。仁科(にしな)と食べないなんて。……って思ってたけど、さすがに一週間も一緒に食べないなんてな。なんかあった?」
(そら)、くん……」
 ずっと、避け続けていた。
 そんな私に、そんな心配そうな顔を向けられる資格なんてない。
「喧嘩でもしたか?」
「……私が悪いの。私が……」
 私は、(そら)くんに、今までのことを話した。
 クラスメイトが涼葉(すずは)の悪口を言っていたこと。
 意見を求められて、怖くて、頷いてしまったこと。
 それを、涼葉(すずは)に聞かれていたこと。
「……そうなんだ」
 今は、慰めの言葉なんていらなかった。
 私が悪いのは分かっている。
 でも、責められるのは怖かった。
「俺、慰めるのとか苦手だから、あんま良いこと言えないかもだけどさ。……ちゃんと話せば良いんじゃねえの?」
「ちゃんと、話す……?」
「だって、お前ら、幼なじみなんだろ?ちゃんと話せば分かってくれるんじゃねえの?」
 それも、怖い。
 もし、再構築できなかったら……?
 私は、どうしたら良いの?
「……とりあえず、思ってること言えよ。ほら、俺にもなんかねえの?遊びに行った後から、俺のこと避け始めてるじゃん。理由はあるだろ?」
「……それは、そう、だけど……」
 聞きたい。
 でも、聞くのが怖い。
 聞いてしまったら、関係が壊れてしまうかもしれない。
「俺に聞きたいことがあるんだろ?」
「うん、まあ……」
 どうしても、知りたい。
 でも、知りたくない。
「……まあ、どうしても嫌だっていうなら、別に良いけど。……溜め込むんじゃねえぞ」
「……ねえ、(そら)くん。……(そら)くんってさ、……小さい頃、事故に遭ったことって、ある?」
 (そら)くんの顔色が変わる。
 やっぱり、私の予想は、正しかったんだ――。