嘘つき優等生~本音が言えない私を救ってくれたのは、ある秘密を抱えた君でした~

 『余命一年。君と、最初で最後の恋をした。』――通称『よめ恋』は、よくある感動ものの映画だった。
 余命宣告を受けた主人公が、男の子と出会い、恋に落ちる話。
 劇場内では、すすり泣く声が聞こえた。
 隣の瑠愛(るあ)ちゃんや、後ろの(そら)くんからは聞こえない。
 瑠愛(るあ)ちゃん、始まる前は「泣いちゃうかも~」って言っていたのに……。
 私は、あまり感動ものの小説で泣いたことがない。
 なんとなく、他人事だと感じてしまうから。
 エンドロール後、明るくなって、後ろを振り返った時、驚いた。
「ら、(らく)!だ、大丈夫……?」
「ううっ……ぐずっ。だ、だいじょばない……。ぐずっ」
 そう。
 西壁(にしかべ)くんが号泣していたのだ。
 こういうのに、弱いんだなー、と思った。
「はい、ティッシュ」
「ううっ。ありがと、(そら)……」
 意外だったなぁ。
 西壁(にしかべ)くんも、人前で泣くことあるんだ……。