嘘つき優等生~本音が言えない私を救ってくれたのは、ある秘密を抱えた君でした~

 九時五十分。
 腕時計を確認して、一息つく。
 遅刻だけは絶対に嫌だったから、早めに着いている。
「……(ほし)、早いな」
「あ、(そら)くん……。おはよう」
「ん。はよー」
 そういう(そら)くんも、意外と早いじゃないか。
 もっとギリギリに来るんだと思ってた。
「……お前さ」
「ん?何?」
「……いや。今日のプラン、お前は良かったの?」
「え……?」
「何にも意見言ってなかったからさ。ただ頷いてただけだったじゃん」
 やっぱり、気付かれてたんだ……。
 まあ、そうだよね。
 私が本音を隠して生活してるってこと、気付いてたもんね。
「大丈夫だよ。……私、あんまり友達と遊びに行くことなかったんだよね」
 私には、友達だといえる人は、涼葉(すずは)くらいしかいなかった。
 涼葉(すずは)は、友達と遊びに行くとかはあまり好きじゃない。
 一緒に図書館に行くくらいだ。
「だから、今日、すっごく楽しみにしてきたんだ」
「ふーん……。なら良いか」
「おーい!実柚(みゆず)ちゃーん!(そら)くーん!」
 (そら)くんと二人きりの時間は終わり。
 なんだか、少し寂しかった。