そこは中心街のど真ん中に立つ、大きなビルだった。
自社ビルなのか、スゴい!
私は受付に、自分の名前と神無月さんの名前を伝えた。
広いロビーには、その場で打ち合わせをしている人たちもいた。
ここだけ見れば、東京のオフィスと何も変わらない。
さっきまでの、のどかな風景が遠い記憶となっていた。
「おつかれさまです」
後ろから声を掛けられた。
この低い声は……
振り向くと、背が高いモデル体型の女性が立っていた。
神無月さん?
身長は170cmはあるだろうか。
細くて色が白く、パッツンボブにハーフリム眼鏡、真っ赤な口紅。
社員ディレクトリーの写真そのまま。
真っ黒なデコラティブな飾りのあるシャツに、同じく真っ黒な来るぶし丈のプリーツスカート。白い三つ折りのソックスにゴツいローファー。
サラリーマンというよりかは、モデルかアパレル店員のようだ。
一応、出張だからと白シャツに紺のジャケットとパンツ、トレンチコートを羽織ってきた私は、一歩間違うと採用試験を受けにきた就活生に見えた。
神無月さんとの対比に、私はすでに気後れしている。
「お疲れ様です。佐山です。本日はよろしくお願いいたします」
「……では、こちらに」
「はい……」
無駄話無し!
いや、そこは遠い所を……とか、新幹線どうでしたか? とかサービストーク的なものがあるでしょう。
と、思いながらもこの独特のオーラに対して、勝てる気はしなかった。
6階の執務室に入ると、窓際に座っている男性の元へ案内された。
「部長、佐山さんがいらっしゃいました」
「ああ、お疲れ様です。業務企画部の舟木です」
神無月さんの上長。
私はポケットに入れておいた名刺入れから名刺を差し出した。
昨日、出来上がったばかりの名刺。
「佐山です。本日はお世話になります」
「遠いところ、大変でしたね。まずは、神無月さん、席にご案内して。荷物を置いたら、ミーティング部屋でお話しましょう」
「はい。よろしくお願いします」
神無月さんが、私が座る席に案内してくれた。
私は、スーツケースとトートバッグを置き、周りの方に挨拶すると、やっとひと息ついた。
トートバッグからPCを取り出す。
無事に着いたことを藤木さんにメールで連絡した。
チェックしなければいけないメールが、何通か届いていたが、これは後回しで。
まずは、部長の舟木さんとの打ち合わせを優先させる。
「よろしいでしょうか。部長とのMTGの部屋にご案内します」
「はい」
この抑揚のない声、どこかで聞いたな……
ああ、企画部の部長だ!
AIと話しているみたいな……そう思うと、神無月さんもAIみたいだ。
容姿も含めて、ちょっと非現実的だったりするし。
私はスタイルの良い、神無月さんの後について行きながら、そんなことばかり考えていた。
自社ビルなのか、スゴい!
私は受付に、自分の名前と神無月さんの名前を伝えた。
広いロビーには、その場で打ち合わせをしている人たちもいた。
ここだけ見れば、東京のオフィスと何も変わらない。
さっきまでの、のどかな風景が遠い記憶となっていた。
「おつかれさまです」
後ろから声を掛けられた。
この低い声は……
振り向くと、背が高いモデル体型の女性が立っていた。
神無月さん?
身長は170cmはあるだろうか。
細くて色が白く、パッツンボブにハーフリム眼鏡、真っ赤な口紅。
社員ディレクトリーの写真そのまま。
真っ黒なデコラティブな飾りのあるシャツに、同じく真っ黒な来るぶし丈のプリーツスカート。白い三つ折りのソックスにゴツいローファー。
サラリーマンというよりかは、モデルかアパレル店員のようだ。
一応、出張だからと白シャツに紺のジャケットとパンツ、トレンチコートを羽織ってきた私は、一歩間違うと採用試験を受けにきた就活生に見えた。
神無月さんとの対比に、私はすでに気後れしている。
「お疲れ様です。佐山です。本日はよろしくお願いいたします」
「……では、こちらに」
「はい……」
無駄話無し!
いや、そこは遠い所を……とか、新幹線どうでしたか? とかサービストーク的なものがあるでしょう。
と、思いながらもこの独特のオーラに対して、勝てる気はしなかった。
6階の執務室に入ると、窓際に座っている男性の元へ案内された。
「部長、佐山さんがいらっしゃいました」
「ああ、お疲れ様です。業務企画部の舟木です」
神無月さんの上長。
私はポケットに入れておいた名刺入れから名刺を差し出した。
昨日、出来上がったばかりの名刺。
「佐山です。本日はお世話になります」
「遠いところ、大変でしたね。まずは、神無月さん、席にご案内して。荷物を置いたら、ミーティング部屋でお話しましょう」
「はい。よろしくお願いします」
神無月さんが、私が座る席に案内してくれた。
私は、スーツケースとトートバッグを置き、周りの方に挨拶すると、やっとひと息ついた。
トートバッグからPCを取り出す。
無事に着いたことを藤木さんにメールで連絡した。
チェックしなければいけないメールが、何通か届いていたが、これは後回しで。
まずは、部長の舟木さんとの打ち合わせを優先させる。
「よろしいでしょうか。部長とのMTGの部屋にご案内します」
「はい」
この抑揚のない声、どこかで聞いたな……
ああ、企画部の部長だ!
AIと話しているみたいな……そう思うと、神無月さんもAIみたいだ。
容姿も含めて、ちょっと非現実的だったりするし。
私はスタイルの良い、神無月さんの後について行きながら、そんなことばかり考えていた。



