落ちぶれた歌姫は、あやかしの皇帝に愛される

 一人で暮らすのは、思ったよりも寂しかった。
 自分が一人ぼっちであることを自覚する。
 ……私がいなくなっても、誰も困らないのではないか。
 何度そう思ったことだろう。
 ……もう、太李(たいり)には会えないのだ。

『僕、姉上の歌が好きなんです』

 そう無邪気に笑ってくれた太李(たいり)には、もう……。