雲の隙間を、巨大な稲妻が駆け巡った。
今までとは次元が違う。山をも砕くような規模の雷が、まさに今、降り注ごうとしている。
ふらり、と身体が勝手に前へ出る。
もし私のせいで暁臣様に何かあったら。もし、この温かな場所を、また失うことになったら——。
私は……また……一人ぼっちの、あの冷たい蔵へ戻るの?
「そんなの……嫌です……暁臣様……!」
「すみれ様!いけません、危険ですっ!」
咄嗟に綾乃様が私の腕を強く掴んだ。
その指先が、私以上に激しく震えているのが伝わってくる。
「でも、あの方がっ……!」
空が鳴る。大気が震える。
落雷の予兆が、大地を揺らす。
視線の先で、暁臣様の『異能』が苦しげに歪んだ。
やはり黒い渦は、先ほどよりさらに縮み始めている。
「……暁臣様……っ!」
バリバリバリッ!!!
と、天が裂けるような衝撃音。
考えるより早く、私は綾乃様の腕を振りほどいていた。
無我夢中で、嘲笑を浮かべる東宮殿下の横をすり抜け暁臣様の元へ走る。
草履はどこかで脱げた。
足裏に砂利が食い込み、転びそうになる。痛い。けれど止まれない。
「暁臣様……!!!!」
「すみれ、来るなっ!!」
漆黒の球体が霧散し、完全に消失した——その瞬間。
私は暁臣様の広い胸に、全力で飛び込んだ。
「だめだ、離れろ……今来るのは危ない……っ!」
「嫌です!絶対に離れませんっ!このまま、一緒に……っ!」
このまま雷に焼かれて死んでしまっても構わない。
独りで生き残るくらいなら、暁臣様と共にあることを選びたい。
目を開けることすらできないほどの白い光が、私たちを包み込んだ。
内臓にまで響く重い衝撃。私はただ、暁臣様の衣の感触だけを頼りに、必死で立っていた。
「……すみれ……?」
今までとは次元が違う。山をも砕くような規模の雷が、まさに今、降り注ごうとしている。
ふらり、と身体が勝手に前へ出る。
もし私のせいで暁臣様に何かあったら。もし、この温かな場所を、また失うことになったら——。
私は……また……一人ぼっちの、あの冷たい蔵へ戻るの?
「そんなの……嫌です……暁臣様……!」
「すみれ様!いけません、危険ですっ!」
咄嗟に綾乃様が私の腕を強く掴んだ。
その指先が、私以上に激しく震えているのが伝わってくる。
「でも、あの方がっ……!」
空が鳴る。大気が震える。
落雷の予兆が、大地を揺らす。
視線の先で、暁臣様の『異能』が苦しげに歪んだ。
やはり黒い渦は、先ほどよりさらに縮み始めている。
「……暁臣様……っ!」
バリバリバリッ!!!
と、天が裂けるような衝撃音。
考えるより早く、私は綾乃様の腕を振りほどいていた。
無我夢中で、嘲笑を浮かべる東宮殿下の横をすり抜け暁臣様の元へ走る。
草履はどこかで脱げた。
足裏に砂利が食い込み、転びそうになる。痛い。けれど止まれない。
「暁臣様……!!!!」
「すみれ、来るなっ!!」
漆黒の球体が霧散し、完全に消失した——その瞬間。
私は暁臣様の広い胸に、全力で飛び込んだ。
「だめだ、離れろ……今来るのは危ない……っ!」
「嫌です!絶対に離れませんっ!このまま、一緒に……っ!」
このまま雷に焼かれて死んでしまっても構わない。
独りで生き残るくらいなら、暁臣様と共にあることを選びたい。
目を開けることすらできないほどの白い光が、私たちを包み込んだ。
内臓にまで響く重い衝撃。私はただ、暁臣様の衣の感触だけを頼りに、必死で立っていた。
「……すみれ……?」



