異能を持たない花嫁と最強のあやかし

「……はあ。私たちの娘が、(すめらぎ)さまに嫁ぐのは、思ってもみない良い話だけど、それが桜子(さくらこ)だなんて……」
(たかむら)家から、無能令嬢を出すということだろう?(うち)の信頼が下がりかねない」
 ……そう、だよね。
 私なんかが……。
「でも、断ったら断ったで、(うち)の評判が下がるでしょ?」
「そうなんだよ!そこが問題で……」
「……じゃあ、どうするのよ?」
 居間の隅で、お盆を持って突っ立っている。
「……そうか。無能令嬢だと世間にバレなければいいのだわ」
「バレる気がするが……」
「やってみないと分からないでしょ?断るよりはマシだと思う。バレないかもだし……。……それに、桜子(さくらこ)が嫁いだ時に、縁を切ればいいわ。そうすれば、桜子(さくらこ)は、もう(うち)の人間じゃなくなる」