あやかしの花嫁 ~異能を持たない無能令嬢と最強のあやかし~

「ねえ、桜子(さくらこ)。そのお菓子とって」
「はい……」
 姉上は、私を使用人のように扱う。
 ……私が、無能令嬢だから。
「……あ、そうだ。私、今日、夕食は、(すみれ)と外で食べるから」
「はい……」
 (すみれ)……というのは、姉上の花婿である、(たちばな) (すみれ)さんのことだ。
 姉上より3つ上。
 姉上が中等学校2年の頃に見初められた。
「……あと、髪飾り、新しいの買っておいてくれない?これはもう古いから」
「はい……」
 私に、拒否権などない。
 嫌だと言ってしまえば、もうこの家にはいられなくなってしまう。
「じゃあ、お部屋の掃除よろしくね」