異能を持たない花嫁と最強のあやかし

「……行ってまいります」
 母上や父上にそう告げて、私は家を出る。
 外には、(すめらぎ)家からの迎えの車が来ていた。
 姉上は、見送りには来なかった。
 そんなに私のことが嫌いなのか……。
 と、少し悲しくなると同時に、諦めの感情も出てきた。
 そうだよね。
 私のことなんて……。
「――桜子(さくらこ)っ」
(すめらぎ)さま……」
桃矢(とうや)で良い。桜子(さくらこ)も、(すめらぎ)になるだろう?」
「……桃矢(とうや)、さま」
 なんだか、少しこそばゆい気がした。
 彼は、優しそうに微笑んでいた。
「行こうか」
「はい……」