俺達が学校内人気ナンバーワンカプ!?

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「ごめんごめん、お待たせー」

大聖と一緒に昇降口に行くと、律と直希が待ってくれていた。

「全然いいけど、戸村くんと何話してたの?」と、律は俺に尋ねた。

「…んー…。大した話じゃなかったわー!化学の授業の話!」

2人に心配かけたくなかったから、俺は嘘をついた。
明らかに嘘ってバレてただろうけど、2人は「ふーん?」と言って、それ以上は何も言わなかった。
大聖も、約束通り何も言わないでいてくれた。普段はうるさいけど、こういう約束はしっかり守って黙っててくれる。

靴を履き替え、4人で昇降口を出て校門に向かって歩く。
相変わらず周りからは「たせゆめだ!」「直希くんかっこいい!」「ちょ、あんたそろそろ律くんに連絡先聞きなよ!」などと聞こえてくるが、さっきの戸村くんのインパクトが強すぎたせいで、全然マシに感じる…。

「てかさー、俺ら全員 絶叫系得意なのマジで最高だよね!」
「確かに。大体誰か1人くらいは苦手な人いるもんね」

直希と律が修学旅行について話してるのを横で聞きながらも、なんだか背後に気配がした。
…嫌な予感がする…。
恐る恐る振り向くと…。

「はっ…!」

そこにいたのは戸村くんだった…。
逃げてったと思ったけど、俺らの事 待ち伏せしてた…?
しかもスマホをこちらに向けていて、絶対に俺の事を盗撮している…。
でももう戸村くんとは話したくないし関わりたくない。怖くて少し震えたけど、彼を無視して前を向いて真っ直ぐ歩いた。
俺の隣にいる大聖は、俺が震えている事に気付き、戸村くんの存在にも気付いたようで、「しつけーな」と呟き、立ち止まった。

「大聖?」

俺も立ち止まり、続けて律と直希も立ち止まった。

「ん?どした?」

2人は頭の上にハテナを浮かべているような顔をしていた。

次の瞬間。

大聖は俺の後頭部に手を回して、

綺麗な顔が近付いてきて、

唇に柔らかい感触がした。

何が起きたのか わからなくて、頭の中が真っ白になって、硬直してしまった。

でも、数秒後には、女子生徒達の悲鳴のような叫び声が聞こえてきて、やっと我に返って、

それでやっと、何が起こっているのかを理解した。



俺は大聖に、キスされている、と_。



「んちょっ、何してんの!?」

俺は大聖を両手で突き飛ばした。
慌てて周りを見渡すと、戸村くんはもちろん、他の生徒達もみんなこちらにスマホを向けていて、写真か動画を撮っていた…。律と直希もびっくりして口をぽかんと開けていた。

俺はとにかく ここから逃げたくて、大聖の腕を掴んで走った。

走って走って、学校から少し離れた公園まで来てしまった。

「ちょちょちょ、お前、めっちゃ走るやん!」

大聖のその台詞を聞き、俺は走るのをやめて大聖の腕を離した。2人とも息を切らしていた。

「はあっ…。どういうつもり!?キスなんて…!」

俺はさっきのキスの件を大聖に問い詰めた。
なんでキスしたの?
…俺、初めてだったのに…。
大聖は初めてじゃないんだろうけど、俺は初めてだった。
…ファーストキスをあんなあっさり奪われるなんて…。

「…えー?だってさあー。ああでもしないとまたあの男、夢人についてきてたっしょ?諦めさせないと」
「だからってキスは…!」
「…嫌だった?」

大聖は捨てられた子犬のような顔で俺を真っ直ぐ見つめてきた。身長高いから子犬じゃなくて大型犬っぽいけど。
でも、そんな綺麗な瞳で真っ直ぐ見つめられたら許してしまう…。なんかずるいなあ…。

「…嫌ではなかったよ…」

そう、別に嫌という訳ではなかった。
でも、俺が好きなのは律だから…。
大聖とのキスを律に見られたのは嫌だった。

「ん。嫌じゃなかったなら良かった。ごめんな?」
「…うん…」

大聖は俺の両頬をムニッと掴んできた。

「笑って?」

そう言って子供のような無邪気な笑顔を俺に向けてくる。

「ひゃ、ひゃなして(離して)」
「ははっ。可愛い」



大聖には言えないけど、キスされた時、心臓が破裂しそうなくらいドキドキしてしまった。

今もまだドキドキしている。

大聖の笑顔を見て、なんだか胸がキュンとしてしまった。

…なんで…?

俺が好きなのは律なのに…。