俺達が学校内人気ナンバーワンカプ!?

数日後。

朝。

「…んー…」

目覚ましの音で目が覚めると、いつもとは違う風景が映った。匂いとかベッドの感触とか、自分の部屋のとは違う。

そして隣には、まだすやすやと眠っている大好きな人。

俺は大聖の家に泊まった。大聖の両親が、有名ロックバンドのライブに行っていて、泊まってくるらしい。大聖の両親は家にいないという事なので、俺が大聖の家に泊まる事になったのだ。

寝巻きは大聖のを借りた。少しだけブカブカで、大聖の匂いがする。

「…綺麗な顔してんなあ…」

眠っている大聖の顔を間近で観察した。もし今起きてきたら、多分そのままキスされそうだけど。

「まつ毛ながあ」

大聖に見惚れているが、今日も学校だ。起きなければ。

「たいせーい。起きてー」

俺はベッドに横になったまま、大聖を揺すって起こす。

「…んー…」

なかなか起きない。これに関しては、修学旅行の時から知ってる。

「たいせーい。…もー…。先に起きるよー?」

ベッドから起き上がろうとした瞬間。

「わっ!」

大聖に手首を掴まれ、そのままベッドに引き戻された。

「…行かないで…」

そのまま手を恋人繋ぎにされた。

「…遅刻するよ?」
「いいじゃん2人で遅刻すれば」
「怒られる」
「夢人と一緒なら怒られてもいい」
「何それー」
「…てかさ…」

大聖は俺の手を更に強く握りながら言った。

「…昨日の握手会で、夢人、たくさんの女と握手してたね…」
「…女って…。俺らのファンの子達ね?男もいたけどね?」
「んー」
「大聖だってたくさんの人と握手してたじゃん」
「んー…。でも、握手会やツーショット会の度に毎回嫉妬してる」
「えー?じゃあ、そういうイベント、もうやめる?」
「やめない」
「やめないんかい。まあ、そりゃあ やめないよね」
「ん。…でも、毎回嫉妬はしてるから…」

そのまま大聖の顔が近づいてきて、軽く唇が触れた。

「上書き保存」

大聖はまだ眠そうな顔をしながらも、得意気に笑った。

…上書き保存も何も…。キスは大聖としかした事ないよ…。

「…大聖って意外と嫉妬とかするんだね」
「意外とって何。するよそりゃ。好きだからね」
「…俺も好き…」

付き合って4ヶ月ほどが経つけど、付き合ったばかりの頃よりも、大聖への想いがどんどん大きくなっている…。

「え、ちょ…」

大聖は俺の上に覆い被さった。

そして、唇が重なった。さっきのキスよりも深くて長めのキスをされた。

「…ちょ、ちょっと待って!マジで遅刻するから…!」

俺のその言葉を聞くと、大聖はしょんぼりしたワンちゃんみたいになっていた。

「…んー…。わかった。じゃあ…」

大聖は俺の耳元に顔を近づけて言った。

「続きは放課後ね?」

心臓の音がうるさい。
ほんと朝からドキドキさせてくるよね…。

「…もー!馬鹿!」

そのまま大聖を押して飛び起きた。

「あれ?夢人、顔が真っ赤ー。タコみたーい」

大聖も俺に続いてやっとベッドから起き上がったのだった。

・

割と時間がギリギリだったので、朝ご飯は無し。今日は2人共そこまでお腹は空いていなかったし。

2人で歯を磨いて、制服に着替えて、学校に行く身支度をし、玄関で靴に履き替えた。

なんだか同棲しているみたいだなと思った。

「大聖ー。荷物はまた取りにくるからねー。服とか」
「おん!一緒に洗濯しとくわ!」
「マジでありがとう」
「いいよー!てか、写真撮ろ?」
「…ん?今?」
「今!いくよ?はい、チーズ!」

頬と頬をくっつけて、大聖のスマホで2人で自撮りをした。

「これ公式SNSに上げていい?」
「いいよー」

【これからも たせゆめカップルの応援よろしく!】

その文章と共に、てもはなの公式SNSに写真をアップした。

「じゃあ、行こっか!」

2人の手は自然と絡まり、そのまま家を出た。

今日も2人で恋人繋ぎをしながら登校した。



大聖って自由な人だから、その自由さに俺がよく振り回されたりもする。

でも、大聖に振り回されるのが楽しくて、幸せで…。

そんな毎日がずーっと続いてほしいと願っている。

ずーっと大聖の隣にいられますように。

俺の願いは、ただそれだけ。

「…大聖…」
「ん?」
「…んふふ。やっぱりなんでもなーい!」
「なんだよそれー!」



『学校内人気ナンバーワンカプ』改め、
『学校内人気ナンバーワンカップル』は、
今日も幸せです。



終