俺達が学校内人気ナンバーワンカプ!?

(夢人side)

もう傷付きたくないから、掲示板を見るのは やめた。もう 一切見てない。

でも、やっぱり頭の中はぐちゃぐちゃのままで…。
俺の大聖への気持ちも わからないし、これからどうしたいのかも わからない…。

「夢人、おはよー!」
「…おはよ…」

最近は、俺は毎日大聖を避けてしまっている。挨拶とかは返すけど、冷たい態度をとってしまっている。
ただでさえ大聖を傷付けているのに、避けてしまって、本当に最低だとは思う。
でも、どう接したらいいか わからなくなってしまったから…。

・

放課後。

「大聖くーん!まーだー?」
「はいはーい!もう行けるー!」

今日も大聖は泉斗と帰るらしい。

「じゃ、バイバーイ!」

大聖は3人にバイバイして、泉斗と一緒に行ってしまった。その時に泉斗に睨まれたけど、もはやそれは どうでもいい。

…大聖が遠い…。寂しい…。

大聖を突き飛ばしたのは俺だし、避けてるのも俺だから、俺の方から遠ざかってるのかもしれないけど…。

…やっぱり嫌だよ…。一緒にいたい…。

「…ねえ…。律、直希…」
「どうしたの?」
「なになにー?」

席に座って、俺は自分の今の心境を2人に話す事にした。

「…俺…。最近ずっと頭の中ぐちゃぐちゃで…。どうすればいいか わからなくて…」
「…うん…」
「俺の方から大聖を遠ざけたのかもしれないけどさ、でも、やっぱり、大聖と一緒にいたくて…」
「うん」
「大聖が遠くに行っちゃったような気がして、なんか、胸が苦しくて…。別に大聖が誰と一緒にいようが自由だけどさ…」
「うん」
「俺、自分の気持ちがわかんないんだよね…。わかんないんだけど、大聖の顔見るとドキドキしたり、胸が苦しくなったり…。今も苦しいし…」
「…」
「…」
「…俺ってさ、大聖の事、好きなのかな…?」

律と直希は顔を見合わせて、ふっと笑った。



「自分でも、もう気付いてるんじゃないの?認めてないだけで」



律のその言葉を聞き、はっとした。

“本当は気付いてる”

“認めてないだけ”

…確かにそうなのかもしれない…。
だって、もし仮に大聖が泉斗と付き合ったら…って考えるとめちゃくちゃ嫌だし、ショックを受けると思う。
誰にも取られたくないって思ってしまった。

“夢人可愛いー!”ってわしゃわしゃと頭を撫でられたいし、
あの音痴な歌声もいっぱい聴かせてほしいし、
馬鹿な事言って笑わせてほしいし、逆に俺も大聖を笑わせたい。
カラオケとかファミレスとか、もちろん4人でも行きたいけど、大聖と2人でも行きたいし…。
…大聖と、ずっと一緒にいたいって思う…。

俺、大聖の事、友達としてじゃなくて、恋愛的に好きなんじゃん…。
本当は気付いてたけど、認めたくなかっただけで…。
馬鹿じゃん俺…。認めるのが遅すぎるよ…。

「てか、夢人これ見て!掲示板が大変な事になってる!」

直希がスマホの画面を俺に見せてきた。

「…え…」

掲示板に動画が投稿されていた。
この前の、俺と泉斗がトイレで遭遇した時のだ…。

『僕はあんたが気に入らない』
『もう大聖くんに関わらないでもらえるかな?』
『目障りなんだよね』
『マジで邪魔』
『もう大聖くんに近づかないで』

泉斗の問題発言がバッチリ映っている…。

〝パチン!〟
『調子乗んなブス!』

泉斗が俺をビンタした所まで…。

…え、これ、誰が撮ったんだろう…?

【え、何この動画】
【最低すぎるわ】
【泉斗オワコンだな】
【お前が大聖に近づくなよ】
【泉斗、もうこの学校にいられないね】

掲示板内は泉斗に対する批判の嵐だった。

そして…。

【夢人、今がチャンスだ!大聖を取り返せ!】
【やっぱり たせゆめしか勝たんのよ】
【また たせゆめの絡みが見たい!早く供給ちょーだい!】
【夢人、早く!大聖の元に走りなさい!】
【行け!夢人!】

そんなコメントもたくさん書き込まれた…。

「夢人、大聖まだ校庭にいるよ?」

律は窓の外を確認しながら、そう教えてくれた。

「夢人、行きなさい!」

直希は俺を半ば強引に席から立たせ、俺の背中を押してくれた。

「ちゃんと気持ちを伝えてきなさい!」

律も背中を押してくれた。

「…ありがとう!」

俺は鞄を取り、そのまま教室から飛び出した。

まさか掲示板の匿名ユーザー達からも背中を押されるとは思わなかったけど。

大聖に自分の気持ちを正直に伝えようと思う。

今更伝えてももう遅いかもしれない。

それでも、ちゃんと言わないと後悔するから…。