俺達が学校内人気ナンバーワンカプ!?

(直希side)

夢人とは幼稚園の頃からの幼馴染で、小学校も中学校もずっと一緒だった。

幼稚園の時、夢人が男の子達からいじめられていたのを俺が助けて、それがきっかけで仲良くなった。
最初は『ゆめとくん』『なおきくん』と呼び合っていたが、小4ぐらいからは『夢人』『直希』に変わっていった。

お互いを呼び捨てで呼び合うようになった頃から、俺は夢人に対して特別な感情を抱くようになり、それが『恋』だと気付くのにそこまで時間はかからなかった。

夢人はモテるのに彼女は作らなかった。
本人からカミングアウトされた訳ではないけれど、“夢人ももしかしたら そっちなのかも”と、なんとなく気付き、自分にもチャンスがあるんじゃないかと思っていた。

でも、夢人が俺に対してそういう気持ちがないのは痛いほどわかっていた。

俺は夢人と同じ高校に入った。本当はもっと偏差値の高い高校を目指せたけど、夢人と離れたくなかったから。たとえ叶わないと わかっていても…。

1年生も2年生も、奇跡的に夢人と同じクラスになれた。

夢人が俺の事を恋愛対象として見てくれなくても、ずっと夢人の隣にいれたら それでいいと思ってた。

けれど、俺は、すぐに わかってしまった。
“夢人は律が好き”って…。
幼馴染なんだから、夢人の考えている事とか すぐわかっちゃう。

確かに律は大人っぽいし、優しいし、かっこいいし、短所が1つも見つからないくらい素敵な人だから、夢人が律を好きになるのも納得だった。

でも、律は夢人の事を恋愛対象としては見ていないはず。

「…俺にしとけばいいのに…」

そう呟きながら、机に突っ伏して寝ている夢人の髪を撫でたのは内緒。

・

ただ、最近の夢人は違う。大聖に振り回されている。

修学旅行の時、部屋で大聖は夢人に告白していた。
あの時、俺は寝たふりしてたけど、実は起きていた。
だから、大聖が夢人を好きだという事は知ってる。

そして夢人も、大聖の事を好きになっている。
幼馴染だから、わかる。
今、夢人が好きなのは、律じゃなくて大聖だ。
まあ本人はまだ自覚してないっぽいけど。

大聖は、律とは真逆のタイプ。
明るくて、愉快で、ちょっと子供っぽくて。フレンドリーで誰とでも仲良くなれて、なんやかんや優しい。
本当に良い奴だから、大聖の事を好きになっちゃうのもわかる。

律と大聖の事は好きになったのに、幼稚園からずっと一緒にいる俺の事は好きになってくれないんだ…。って、胸が苦しくなったりもする。

でも。

“ずっと夢人が好きだったよ”
この気持ちは、話さない。
きっと一生 話す事はないだろう。
夢人を困らせたくないし、なんやかんや俺は『たせゆめ』が結ばれる事を願っているから。

夢人と大聖は、今は両片思いみたいな状態だ。
しかし、泉斗というライバルが出現。
このままじゃ駄目だ。なんとかしてあげたい。

とにかく俺は、たせゆめを応援している。
夢人の事は好きだけど、好きだからこそ、ちゃんと幸せになってほしい。

夢人が好きな人と結ばれれば、それでいい…。