俺達が学校内人気ナンバーワンカプ!?

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文化祭2日目。

いよいよ今日、踊る…!

午前中は昨日みたいにクレープ屋さんでお渡し役をやって、ステージは午後から。

今日のクレープ屋さんは、剥がしの女子達が昨日よりも優しくなっていた。
なぜかというと、昨日の終わり頃、律から「剥がす時、もうちょっと優しく剥がしてあげて」と言われたから。女子達は「うん!わかった!律くんがそう言うなら!」と律の言う事を素直に聞き、今日の剥がしは昨日より優しくなったという訳だ。
さすが律…。そういう所が好き…。

そして午後になった。
手持ち花火の順番は、1番最後!大トリ!

俺達以外にも、たくさんの生徒が歌やダンスなどを披露していた。
俺達みたいに、4人組で男性アイドルの曲を披露した男子生徒達もいた。もちろん女子生徒達もアイドルの曲を踊ったり。
グループじゃなくて、歌に自信がある生徒がソロでバラードを歌ったりもした。
生徒だけじゃなくて、先生達も出ていた。なんなら すぐるっちも出ていた。ちなみにソロで。めっちゃ歌上手かった。

俺達は舞台裏で出番を待っている。
4人とも衣装を着て、ヘアメイクもバッチリ。

「夢人、緊張してる?」
「…うん…」
「ははっ。緊張しなくていいよー!可愛いー!」

大聖は俺の頭を軽く撫でた。ヘアセットが崩れない程度に。

「…大聖は緊張してないの?」
「してない!むしろめっちゃ楽しみ!」

やっぱりそうだよね。大聖って、そういう性格だ。

「直希は緊張してる?」
「してない!ほしはなになったつもりで全力で楽しむ!」
「だよね…。律は?」
「してない。みんなの喜ぶ顔が見れるから楽しみ」
「だよねえ…」

やっぱり緊張してるのは俺だけかー…。

「夢人」

大聖が優しい声色で俺に話しかける。

「大丈夫だよ。いっぱい練習して完璧になったし!夢人なら大丈夫だし、この4人なら絶対大丈夫だから!」

ムニッと、大聖は俺の両頬を軽く摘んだ。

「だから、自信持って、笑って?」

相変わらず距離が近くてドキドキする。元々緊張してるのに、余計に緊張させてくる。大聖が俺の事を好きって知ってるからこそ、意識してしまう…。

でも、大聖の言う通り、この4人なら絶対大丈夫。それだけは確かだ。

「…うん。ありがとう…」

俺が笑顔で大聖にお礼を言うと、大聖はまた頭を撫でてくれた。…大聖ってよく俺の頭撫でるよね…。

「ん。可愛いねえ。キラキラアイドルだねえ」

俺を甘やかす大聖を見て、直希は「うわー、めっちゃ甘やかしてる」と言って笑っていた。律もニコニコしていた。

「手持ち花火のみなさん、もうすぐ出番です」
「あ、はーい!」

もうすぐ出番…。でも、この4人なら絶対大丈夫!

4人で円陣を組み、大聖が話し始める。

「えー、みんな今日までいろいろ頑張った!この4人なら絶対良いパフォーマンスが出来る!大トリ飾るぞ!てもはな、ぶちかますぞー!」
「「「「おーーーー!!!!」」」」

大丈夫。絶対に大丈夫だ。

「えー、次のグループが最後です。大トリです。皆さんお待ちかねの、あのグループです」

司会の男子生徒のその発言で、体育館には黄色い歓声が一気に飛び交った。

俺達はいつでもステージに登場できる。準備はOK。

でも、やっぱり不安で、俺は大聖を見た。無意識だった。なんで律でも直希でもなく大聖を見たのかは、自分でもわからない。

そしたら大聖は俺からの視線に気付き、大聖も俺を見た。

そして大聖は、何も言わずに優しく微笑んでくれて、口パクで「大丈夫」と言ってくれた。

…俺って、もしかして、大聖のこと…。

いやいや、もう出番だし、今はステージに集中!

「手持ち花火のみなさん!お願いしまーす!」

司会がマイクでそう叫ぶと、体育館からはまた歓声が聞こえてくる。

4人はステージに上がった。

歓声はもっと大きくなり、もはや悲鳴のような歓声まで聞こえてくる。

たくさんの生徒達。もはや全校生徒いるんじゃないかってくらい多い。生徒だけじゃなくて先生もいるし、もちろん すぐるっちもいるし、校長や教頭までいる。予想していたよりも凄い人数が見に来てくれていて、圧倒された…。

そして、みんな推しのメンバーカラーのペンライトを振っていた。赤、紫、黄色、水色。どの色も同じぐらいの数で、誰が1番人気とかはない。
ペンライトだけじゃなくて、ファンサうちわを持っている人もいた。
『大聖くん投げチューして!』
『律くん結婚して!』
『直希くん、バーンして!』
『夢人くん うさみみして!』
『たせゆめでハート作って!』
などなど…。

俺は自分のファンの子達に笑顔で手を振った。

「手持ち花火のみなさんが披露する曲は、星空花火の『いつか返事きかせて!』です」

司会が俺達の披露する曲を紹介すると、また黄色い歓声。

「それでは皆さんお楽しみください。どうぞ!」

曲が流れる前に、もう1回4人で目を合わせあった。

うん。大丈夫だ。

客席からは「頑張れー!」「ファイトー!」などの温かい声も聞こえてきた。

曲が流れた。

歓声は今日の中で1番響いている。

俺はとにかく踊った。練習した通りに。ちょっと かわいこぶってみたりして…。

ちゃんと客席も見た。出来る限りファンサうちわにも応えた。うさみみしたり、投げチューしたり…。ちょっと恥ずかしいけど、俺にしては かなり頑張った。

3人ともアイコンタクトをとったりして、息を合わせて踊った。

ステージに上がる前は緊張してたけど、いざ始まったら楽しくて…。

気付いたら終わっていた。

「手持ち花火の皆さん、ありがとうございました!この後、握手会がありまーす!」

司会の生徒がサラッと握手会の宣伝もしてくれて、俺らのステージは終わった。

俺達は観客に笑顔で手を振りながら捌けた。

しばらく歓声は おさまらなかった。

舞台裏に行くと、4人は「お疲れ」と言い合い、グータッチをした。みんな少し息切れしていた。でも、“やりきった!”という感じの良い笑顔を浮かべていた。

「いやあー!マジで良かった!最高だよ!」

大聖はクシャッと笑った。

「うん!無事終わって良かった!練習通りに出来たと思う!多分ミスもなかったと思うし…」

俺がそう言うと、大聖はケラケラ笑いながら「ミスとか どうでもいいよー!楽しかったから良し!」と言った。

「うん、マジで楽しかった!」
「良い思い出が出来たよね」

直希と律も満足そうに笑っている。

「…だね!俺も楽しかった!てもはな最高!」

本当に楽しかったし最高だった。
予想していたよりもたくさんの人が見に来てくれてたし、ペンライトの海も綺麗だった。本物のアイドルさん達は、ペンライトの綺麗な景色を何回も見ているんだろうな。

とりあえずステージが終わってホッとしたのも束の間、次は握手会だ…。