・
それから毎日4人で『いつか返事きかせて!』の振り付けを練習した。
4人ともダンスは未経験の帰宅部。独学でやるのは無理。
そう思っていたけど…。
「え、もう覚えたの?」
俺以外の3人は、すぐに振り付けを覚えて完璧に仕上げていた…。
えっと、ダンス未経験って言ってたよね?なんか、裏切られた感と置いてけぼり感が凄い…。
「大丈夫大丈夫。簡単な振り付けだし、本番までまだ日はあるし、一緒に頑張ろ」
律は俺の肩を優しく叩きながら、慰めてくれた。
「うん…。ありがとう…」
・
翌日の放課後。
今日も4人で練習。
のはずが、律と直希は すぐるっちに職員室に呼ばれているため、今は俺と大聖の2人で練習している。
「たいせーい。ここはこうで合ってる?」
「合ってる!もっと自信持って!」
修学旅行で大聖に告白されて、でももう気にしなくていいと言われて以降、今までと変わらず普通に過ごしている。
でも、俺達はいつも常に4人でいるから、大聖と2人きりになる事ってあまりなくて…。
大聖は気にしてないだろうけど、俺は少し意識してしまう…。
「こ、こうかな?」
「そう!めちゃくちゃ上手になった!もう振り付けは完璧だな!」
「ほんとに?」
「おん!あとはもっと自信を持って、アイドルになりきること!」
大聖にいろいろ教えてもらったおかげで、確かに振り付けはもう全部覚えた。簡単な振り付けだから覚えやすかったってのもあるけど。
大聖はたくさん褒めてくれた。スパルタ指導とかではなく、褒めて伸ばしてくれるタイプ。
「ねえ、俺をファンの子だと思って、踊りながらファンサしてみてよ!」
大聖からの要望に、俺は「えー」と苦笑した。
「じゃあ、最初から流すから!」
大聖は俺の反応を無視して曲を流した。そして水色のペンライトを持ち、俺のファンになりきる。
曲が流れてきたからには、俺は頑張って踊る。振り付けは完璧。そして踊りながら大聖を見つめ、なんとかいろんなファンサをしてみた。投げチュー、うさみみ、指ハート、指差しなどなど…。アイドルになりきった。まだ恥ずかしさはあるけど…。
「ど、どうだった…?」
曲が終わって大聖に問いかけた。
しかし、大聖は真顔…。
…え、何か駄目だったかな?かわいこぶりすぎた?大聖が求めているような感じじゃなかった…?
「…大聖…?」
大聖は無言でペンライトを置いて、こちらに近づいてきた…。
「え、ちょ…」
大聖は俺をぎゅっと抱きしめた。
「可愛すぎて無理」
抱きしめながら、俺の耳元でそんな事を言ってきた…。
「…ちょ、大聖…。苦しいよ…」
「…んー…」
大聖はなかなか離してくれないまま、また俺の耳元で話し始めた。
「修学旅行の時さ、告白して、でもやっぱり忘れてって言って、夢人を困らせちゃったじゃん?」
「…うん…」
「でもやっぱり、また困らせてもいい?」
「…え…?」
大聖はやっと離してくれた。そして真っ直ぐ俺を見つめた。
…と思いきや、今度は ぐっと顔を近づけてきた。おでことおでこをくっつけて、キスしそうなくらい近い。そして、ほんのり甘い香り。大聖の香り…。
「俺やっぱり、どうしようもないくらい夢人が好き」
あなたはまた俺を困らせる。
こんな風にまた告白されたら、やっぱり意識してしまうじゃん。
ずるいよ。
俺が好きなのは律のはずなのに、大聖にドキドキして、もう、誰が好きなのか わからなくなっちゃったじゃん…。
「いつか返事きかせて」
…ん…?
いつか返事きかせて…?
それは曲名の事を言っているのか、それとも…。
俺が硬直して何も言えなくなっていたら、大聖はゆっくりと離れた。
「…ごめん…。とりあえず今は、文化祭に向けていっぱい練習しよう!」
「…ん?」
「今は文化祭の事に集中!絶対成功させような!」
…はっ?はあっ!?
待て待て待て。
また告白してきて困らせといて、『とりあえず今は文化祭の事に集中』?
集中できる訳ないだろ!ふざけんな!お前のせいで振り付け全部飛んだわ!
「…んもおー!大聖のせいで振り付け全部飛んだんだけどー!」
「ごめんごめん。マジでごめん。また教えるから!」
「もー!本番では絶対完璧に踊りたいのにさー!」
俺がプリプリと怒っていると、律と直希が戻ってきた。
「お待たせー」
「何?なんか揉めてた?」
「んー…。揉めてはない!でも、振り付け飛んだかも!」
「あー。オッケー。じゃあ、曲流すから、また最初から踊ってみよっか」
4人で練習を再開した。
俺は混乱しているのに大聖はケロッとしていて、少しだけムカつく…。
でも…。
“文化祭を成功させたい”
“完璧に踊りたい”
その想いは確かだ。
だから大聖の言う通り、今は文化祭に集中。大聖のせいで集中できなさそうだけど、もうとにかくやるしかない。告白の件は文化祭の後だ…。
それから毎日4人で『いつか返事きかせて!』の振り付けを練習した。
4人ともダンスは未経験の帰宅部。独学でやるのは無理。
そう思っていたけど…。
「え、もう覚えたの?」
俺以外の3人は、すぐに振り付けを覚えて完璧に仕上げていた…。
えっと、ダンス未経験って言ってたよね?なんか、裏切られた感と置いてけぼり感が凄い…。
「大丈夫大丈夫。簡単な振り付けだし、本番までまだ日はあるし、一緒に頑張ろ」
律は俺の肩を優しく叩きながら、慰めてくれた。
「うん…。ありがとう…」
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翌日の放課後。
今日も4人で練習。
のはずが、律と直希は すぐるっちに職員室に呼ばれているため、今は俺と大聖の2人で練習している。
「たいせーい。ここはこうで合ってる?」
「合ってる!もっと自信持って!」
修学旅行で大聖に告白されて、でももう気にしなくていいと言われて以降、今までと変わらず普通に過ごしている。
でも、俺達はいつも常に4人でいるから、大聖と2人きりになる事ってあまりなくて…。
大聖は気にしてないだろうけど、俺は少し意識してしまう…。
「こ、こうかな?」
「そう!めちゃくちゃ上手になった!もう振り付けは完璧だな!」
「ほんとに?」
「おん!あとはもっと自信を持って、アイドルになりきること!」
大聖にいろいろ教えてもらったおかげで、確かに振り付けはもう全部覚えた。簡単な振り付けだから覚えやすかったってのもあるけど。
大聖はたくさん褒めてくれた。スパルタ指導とかではなく、褒めて伸ばしてくれるタイプ。
「ねえ、俺をファンの子だと思って、踊りながらファンサしてみてよ!」
大聖からの要望に、俺は「えー」と苦笑した。
「じゃあ、最初から流すから!」
大聖は俺の反応を無視して曲を流した。そして水色のペンライトを持ち、俺のファンになりきる。
曲が流れてきたからには、俺は頑張って踊る。振り付けは完璧。そして踊りながら大聖を見つめ、なんとかいろんなファンサをしてみた。投げチュー、うさみみ、指ハート、指差しなどなど…。アイドルになりきった。まだ恥ずかしさはあるけど…。
「ど、どうだった…?」
曲が終わって大聖に問いかけた。
しかし、大聖は真顔…。
…え、何か駄目だったかな?かわいこぶりすぎた?大聖が求めているような感じじゃなかった…?
「…大聖…?」
大聖は無言でペンライトを置いて、こちらに近づいてきた…。
「え、ちょ…」
大聖は俺をぎゅっと抱きしめた。
「可愛すぎて無理」
抱きしめながら、俺の耳元でそんな事を言ってきた…。
「…ちょ、大聖…。苦しいよ…」
「…んー…」
大聖はなかなか離してくれないまま、また俺の耳元で話し始めた。
「修学旅行の時さ、告白して、でもやっぱり忘れてって言って、夢人を困らせちゃったじゃん?」
「…うん…」
「でもやっぱり、また困らせてもいい?」
「…え…?」
大聖はやっと離してくれた。そして真っ直ぐ俺を見つめた。
…と思いきや、今度は ぐっと顔を近づけてきた。おでことおでこをくっつけて、キスしそうなくらい近い。そして、ほんのり甘い香り。大聖の香り…。
「俺やっぱり、どうしようもないくらい夢人が好き」
あなたはまた俺を困らせる。
こんな風にまた告白されたら、やっぱり意識してしまうじゃん。
ずるいよ。
俺が好きなのは律のはずなのに、大聖にドキドキして、もう、誰が好きなのか わからなくなっちゃったじゃん…。
「いつか返事きかせて」
…ん…?
いつか返事きかせて…?
それは曲名の事を言っているのか、それとも…。
俺が硬直して何も言えなくなっていたら、大聖はゆっくりと離れた。
「…ごめん…。とりあえず今は、文化祭に向けていっぱい練習しよう!」
「…ん?」
「今は文化祭の事に集中!絶対成功させような!」
…はっ?はあっ!?
待て待て待て。
また告白してきて困らせといて、『とりあえず今は文化祭の事に集中』?
集中できる訳ないだろ!ふざけんな!お前のせいで振り付け全部飛んだわ!
「…んもおー!大聖のせいで振り付け全部飛んだんだけどー!」
「ごめんごめん。マジでごめん。また教えるから!」
「もー!本番では絶対完璧に踊りたいのにさー!」
俺がプリプリと怒っていると、律と直希が戻ってきた。
「お待たせー」
「何?なんか揉めてた?」
「んー…。揉めてはない!でも、振り付け飛んだかも!」
「あー。オッケー。じゃあ、曲流すから、また最初から踊ってみよっか」
4人で練習を再開した。
俺は混乱しているのに大聖はケロッとしていて、少しだけムカつく…。
でも…。
“文化祭を成功させたい”
“完璧に踊りたい”
その想いは確かだ。
だから大聖の言う通り、今は文化祭に集中。大聖のせいで集中できなさそうだけど、もうとにかくやるしかない。告白の件は文化祭の後だ…。
