・
1週間後。
放課後。
ついにツーショット撮影会の日がやってきた。体育館で行う。
「大聖さんの最後尾こちらでーす!」
「同じメンバーの列に2回以上並ぶのはルール違反になりまーす!」
「きちんとサイトの方をご確認の上、ご来場くださーい!」
生徒会の女子メンバーが、列の整備を頑張ってくれている。
「すみません、直希くんの列はどこですか?」
「直希さんの最後尾はあちらになりまーす!」
「ありがとうございます!」
スタッフ役、本当に大変そう…。
なぜなら、予想していたよりもたくさんのファンが並んでいるから…。
300人ぐらいは並んでいるそう…。
そして俺達4人は今、1人ずつとツーショットを撮っている。
あ、ちなみに、一切お金は取らない。無料。だって俺らはアイドルじゃなくてただの一般人だから。
まあ、掲示板とかでは【お金なんていくらでも払うよー!推しに貢がせてよー!】という声がたくさんあったが、ただの一般人なのでツーショット代は0円。
ツーショットを撮れる枚数は1人のメンバーにつき3枚まで。例えば大聖と3枚撮った後に律と3枚撮る事は可能。4人全員の列に並んで、4人それぞれと3枚ずつ撮る子もきっといるだろう。
アイドルじゃなくてただの一般人なので、キラキラした衣装は着ず、制服姿でツーショットを撮る。
「はーい、次の方どうぞー」
「3枚でお願いします!」
ファンの方が自分のスマホをスタッフに渡し、スタッフが撮影するというスタイルだ。撮影するスタッフ役は、生徒会の男子メンバー。
「こんにちはー」
「わわ!夢人くんだ…!本物だ…!顔ちっちゃ…!」
「えー、そうかな?ありがと。ポーズどうする?」
「じゃあ…。まずは一緒にハート作りたい!」
「オッケー」
話した事もない他のクラスの女子生徒と一緒に手でハートを作る。
「はい、いきまーす。3、2、1…」
〝パシャッ〟
そんな感じでいろんなポーズで写真を撮り…。
「はい、3枚撮ったので、お時間でーす」
スタッフにそう促され、女子生徒はスタッフからスマホを受け取る。
「夢人くん大好き!ずーっと推す!」
「おー。ありがとねー」
俺がそう返すと、女子生徒は幸せそうな笑顔で捌けていった。
そしてまた次の人が来る。その繰り返し。
「次の方ー」
「わー!夢人せんぱぁーいっ!」
「…あ…」
前に俺に「10万払うからデートしてください」って言ってきた後輩の女子生徒だ…。
「夢人先輩、私の事、覚えてますー?」
「う、うん…」
「キャー!嬉しい!夢人先輩に認知されてるなんて!」
うん、認知してるよ、悪い意味でね。
「あはは…。ポーズどうする?」
「ハグで!ギューしてくださいっ!」
「…えーっと…」
「3枚全部ハグで!」
俺が困っていたら、すぐにスタッフが助けてくれた。
「過度な接触は禁止となっていますので」
スタッフは冷徹にそう言い放ってくれた。
「えー?ハグ駄目なんですかー?じゃあハートでいいやー」
「オ、オッケー…」
〝パシャッ〟
そして、3枚撮り終えて…。
「最後に『アイカ』って呼んでください!」
「アイカー」
「キャー!名前呼んでくれたっ!大好きっ!」
そう言って彼女は捌けていった…。
ちゃんと名前も認知したよ、悪い意味でね。
まあ、もう変な事言ってこなければセーフです。
「次の方ー」
「…あ…」
…今度は戸村くんが来た…。
同じクラスだし、さっきの子よりもしっかり認知してるよ、めちゃくちゃ悪い意味でね!
「…ゆ、夢人くんっ。ぼ、僕、たせゆめ推しになったから、後で日高くんとも撮るつもりなんだよっ…!」
「そ、そうなんだ!ポーズどうする?」
「と、とりあえずハートでっ!」
「オッケー…」
戸村くんはカチャッと眼鏡を直し、モジモジしながらハートを作った。
てか、ハート人気だな。
〝パシャッ〟
そして、戸村くんとも3枚撮り終えた。
「ゆ、夢人くんっ!改めて、あの時は本当にごめんなさいっ。日高大聖と幸せになってね!」
付き合ってません。告白されたけど付き合ってません。仲の良いお友達です。
「あはは…。ありがとー」
「じゃ、じゃあまた教室で…!」
戸村くんは捌けていった。
まあ、戸村くんもあれ以来何もしてこないし、セーフです。
そんな感じで、何人もの生徒とツーショットを撮る。それをずっと繰り返す。
「直希くん!ずっと直希くんと話したかった!ツーショット会開催してくれてありがとう!」
「こちらこそ、来てくれてありがとねー!ポーズどうするー?」
「律くん!結婚してください!」
「え、結婚?じゃあさ、指輪を渡すポーズで撮る?」
「大聖先輩!男だけど大聖先輩の事を推してます!僕の憧れです!」
「えええ!めちゃくちゃ嬉しいんだけどー!君、見る目あるねー!ポーズ何がいいー?」
・
「直希くんありがとー!」
「こちらこそだよー!」
「律くん!絶対結婚しようねー!」
「はは。そんなに俺の事を好きでいてくれてありがとう。気を付けて帰ってねー」
「大聖くん大好きー!」
「おん!ずっと好きでいてくれよなー!」
「夢人くん!今日も世界で1番可愛いよー!」
「うわーんありがとー!超嬉しいー!」
それぞれ最後の人の対応を終え、ツーショット撮影会は終了した。
「皆さん!今日は本当にお疲れ様でした!ありがとうございました!」
会長はみんなに丁寧にお辞儀をした。
「俺はめーっちゃ楽しかったよ!スタッフ役の方が大変だったっしょ!?お疲れ様!」
大聖は会長の肩をポンポンと叩いた。
「俺も楽しかった。いい経験になったよ」
「俺も俺もー!アイドルになったみたいで舞い上がっちゃった!」
律と直希もご満悦の模様。
「…俺も。楽しかった。ありがとう」
俺がそう言うと、みんな安心して笑っていた。
本当に楽しかった。最初はいろいろ不安とかもあったけど、やっているうちにどんどん楽しくなっちゃった。
そんな感じで、無事ツーショット撮影会は幕を閉じたのだった。
・
(掲示板)
【ツーショット撮影会で、無事、大聖くんとツーショが撮れましたー!ロック画面にした!】
【私は4人全員の列に並んだよ。めっちゃ待たされたけど】
【誰が1番神対応だった?】
【全員良かったけど、やっぱり律かな】
【全員良かったの?夢人が神対応なの意外なんだけど】
【いや、うちも夢人と撮ったけど、普通に神対応だったよ。あと顔が小さすぎた】
【それな!マジで米粒】
【てか、誰の列が1番長かった?】
【全員同じぐらいだよ。個人では、誰が1番人気とかはない。本当に全員同じぐらいの集客数】
【へー!めっちゃ平和だし、揉めなさそうでいいね】
【でも、『カップリング』となると話は別。カップリングだと、やっぱり たせゆめカプがずば抜けて人気】
【まあ、そりゃあね】
【あれは絶対付き合ってるからね】
【本人達が付き合ってるって言ってたの?】
【言ってないけどキスしてたからさー】
【付き合っててほしいね。ただのオタクの願望】
1週間後。
放課後。
ついにツーショット撮影会の日がやってきた。体育館で行う。
「大聖さんの最後尾こちらでーす!」
「同じメンバーの列に2回以上並ぶのはルール違反になりまーす!」
「きちんとサイトの方をご確認の上、ご来場くださーい!」
生徒会の女子メンバーが、列の整備を頑張ってくれている。
「すみません、直希くんの列はどこですか?」
「直希さんの最後尾はあちらになりまーす!」
「ありがとうございます!」
スタッフ役、本当に大変そう…。
なぜなら、予想していたよりもたくさんのファンが並んでいるから…。
300人ぐらいは並んでいるそう…。
そして俺達4人は今、1人ずつとツーショットを撮っている。
あ、ちなみに、一切お金は取らない。無料。だって俺らはアイドルじゃなくてただの一般人だから。
まあ、掲示板とかでは【お金なんていくらでも払うよー!推しに貢がせてよー!】という声がたくさんあったが、ただの一般人なのでツーショット代は0円。
ツーショットを撮れる枚数は1人のメンバーにつき3枚まで。例えば大聖と3枚撮った後に律と3枚撮る事は可能。4人全員の列に並んで、4人それぞれと3枚ずつ撮る子もきっといるだろう。
アイドルじゃなくてただの一般人なので、キラキラした衣装は着ず、制服姿でツーショットを撮る。
「はーい、次の方どうぞー」
「3枚でお願いします!」
ファンの方が自分のスマホをスタッフに渡し、スタッフが撮影するというスタイルだ。撮影するスタッフ役は、生徒会の男子メンバー。
「こんにちはー」
「わわ!夢人くんだ…!本物だ…!顔ちっちゃ…!」
「えー、そうかな?ありがと。ポーズどうする?」
「じゃあ…。まずは一緒にハート作りたい!」
「オッケー」
話した事もない他のクラスの女子生徒と一緒に手でハートを作る。
「はい、いきまーす。3、2、1…」
〝パシャッ〟
そんな感じでいろんなポーズで写真を撮り…。
「はい、3枚撮ったので、お時間でーす」
スタッフにそう促され、女子生徒はスタッフからスマホを受け取る。
「夢人くん大好き!ずーっと推す!」
「おー。ありがとねー」
俺がそう返すと、女子生徒は幸せそうな笑顔で捌けていった。
そしてまた次の人が来る。その繰り返し。
「次の方ー」
「わー!夢人せんぱぁーいっ!」
「…あ…」
前に俺に「10万払うからデートしてください」って言ってきた後輩の女子生徒だ…。
「夢人先輩、私の事、覚えてますー?」
「う、うん…」
「キャー!嬉しい!夢人先輩に認知されてるなんて!」
うん、認知してるよ、悪い意味でね。
「あはは…。ポーズどうする?」
「ハグで!ギューしてくださいっ!」
「…えーっと…」
「3枚全部ハグで!」
俺が困っていたら、すぐにスタッフが助けてくれた。
「過度な接触は禁止となっていますので」
スタッフは冷徹にそう言い放ってくれた。
「えー?ハグ駄目なんですかー?じゃあハートでいいやー」
「オ、オッケー…」
〝パシャッ〟
そして、3枚撮り終えて…。
「最後に『アイカ』って呼んでください!」
「アイカー」
「キャー!名前呼んでくれたっ!大好きっ!」
そう言って彼女は捌けていった…。
ちゃんと名前も認知したよ、悪い意味でね。
まあ、もう変な事言ってこなければセーフです。
「次の方ー」
「…あ…」
…今度は戸村くんが来た…。
同じクラスだし、さっきの子よりもしっかり認知してるよ、めちゃくちゃ悪い意味でね!
「…ゆ、夢人くんっ。ぼ、僕、たせゆめ推しになったから、後で日高くんとも撮るつもりなんだよっ…!」
「そ、そうなんだ!ポーズどうする?」
「と、とりあえずハートでっ!」
「オッケー…」
戸村くんはカチャッと眼鏡を直し、モジモジしながらハートを作った。
てか、ハート人気だな。
〝パシャッ〟
そして、戸村くんとも3枚撮り終えた。
「ゆ、夢人くんっ!改めて、あの時は本当にごめんなさいっ。日高大聖と幸せになってね!」
付き合ってません。告白されたけど付き合ってません。仲の良いお友達です。
「あはは…。ありがとー」
「じゃ、じゃあまた教室で…!」
戸村くんは捌けていった。
まあ、戸村くんもあれ以来何もしてこないし、セーフです。
そんな感じで、何人もの生徒とツーショットを撮る。それをずっと繰り返す。
「直希くん!ずっと直希くんと話したかった!ツーショット会開催してくれてありがとう!」
「こちらこそ、来てくれてありがとねー!ポーズどうするー?」
「律くん!結婚してください!」
「え、結婚?じゃあさ、指輪を渡すポーズで撮る?」
「大聖先輩!男だけど大聖先輩の事を推してます!僕の憧れです!」
「えええ!めちゃくちゃ嬉しいんだけどー!君、見る目あるねー!ポーズ何がいいー?」
・
「直希くんありがとー!」
「こちらこそだよー!」
「律くん!絶対結婚しようねー!」
「はは。そんなに俺の事を好きでいてくれてありがとう。気を付けて帰ってねー」
「大聖くん大好きー!」
「おん!ずっと好きでいてくれよなー!」
「夢人くん!今日も世界で1番可愛いよー!」
「うわーんありがとー!超嬉しいー!」
それぞれ最後の人の対応を終え、ツーショット撮影会は終了した。
「皆さん!今日は本当にお疲れ様でした!ありがとうございました!」
会長はみんなに丁寧にお辞儀をした。
「俺はめーっちゃ楽しかったよ!スタッフ役の方が大変だったっしょ!?お疲れ様!」
大聖は会長の肩をポンポンと叩いた。
「俺も楽しかった。いい経験になったよ」
「俺も俺もー!アイドルになったみたいで舞い上がっちゃった!」
律と直希もご満悦の模様。
「…俺も。楽しかった。ありがとう」
俺がそう言うと、みんな安心して笑っていた。
本当に楽しかった。最初はいろいろ不安とかもあったけど、やっているうちにどんどん楽しくなっちゃった。
そんな感じで、無事ツーショット撮影会は幕を閉じたのだった。
・
(掲示板)
【ツーショット撮影会で、無事、大聖くんとツーショが撮れましたー!ロック画面にした!】
【私は4人全員の列に並んだよ。めっちゃ待たされたけど】
【誰が1番神対応だった?】
【全員良かったけど、やっぱり律かな】
【全員良かったの?夢人が神対応なの意外なんだけど】
【いや、うちも夢人と撮ったけど、普通に神対応だったよ。あと顔が小さすぎた】
【それな!マジで米粒】
【てか、誰の列が1番長かった?】
【全員同じぐらいだよ。個人では、誰が1番人気とかはない。本当に全員同じぐらいの集客数】
【へー!めっちゃ平和だし、揉めなさそうでいいね】
【でも、『カップリング』となると話は別。カップリングだと、やっぱり たせゆめカプがずば抜けて人気】
【まあ、そりゃあね】
【あれは絶対付き合ってるからね】
【本人達が付き合ってるって言ってたの?】
【言ってないけどキスしてたからさー】
【付き合っててほしいね。ただのオタクの願望】
