俺達が学校内人気ナンバーワンカプ!?

2年1組の教室に入り、みんなで机をくっつけて着席した。
他に誰もいなくて、本当に貸し切りっぽかった。

「改めまして、我々が生徒会です」

この高校の生徒会は、会長1人、副会長1人、書記2人、会計2人で構成されている。そのうち2年生が4人で、1年生が2人。
つい最近まで3年生が会長を務めていたが引退したため、世代交代し、1年生も生徒会に入り、今に至るという感じだ。

生徒会のみんなは、とても真面目な顔で俺達を見つめている。

「生徒会が俺らに大事な話って何ー?てか、みんな硬くなーい!?全然タメでいいし、もっとリラックスしよー!?」

あまりにも陽キャすぎる大聖。怖いもの知らずって感じ。

「…えっと、まず、あなた達4人のファンクラブがある事はご存じですか?」
「おん!」
「知ってる」
「知ってるー!」
「…知ってる…」

4人とも知ってる。だって、修学旅行の時に俺が全て話したから。

「…そのファンクラブはですね、我々が…生徒会が運営しておりまして…」
「「「「マジ!?」」」」

詳しい話を聞くと、最初にファンクラブを開設したいと言い出したのは、前の会長である3年生の女子生徒らしい。だからファンクラブを開設し、生徒会全員でファンクラブ運営を務める事になったとのこと。

俺は気になった事を生徒会のみんなに尋ねた。

「…え…。じゃあ、この学校の生徒しか書き込めない匿名掲示板あるじゃん?それももしかして生徒会が運営してたりする…?」

掲示板は誰が運営しているのか、そもそも誰が開設したのか、ずっと気になっていた。

「いいえ、それは違います。匿名掲示板の開設者は、我々もわかりません。我々が携わっているのはファンクラブだけです」
「…そっか…」

…じゃあ、誰が開設したんだろう?そもそもあの掲示板がなければ、俺達4人はこんなに騒がれていなかっただろうし、普通の高校生活を送れていたかもしれないのに…。

「それでですね、ファンクラブのお問い合わせフォームに、たくさんのファンの方達から要望が届いておりまして…」
「ほう」
「すごいね。ガチのファンクラブじゃん」
「要望って何?」
「はい。『せっかくの修学旅行なのに写真NGなのがとても不満で最悪だった。だからツーショット撮影会を開催してほしい』とのことです」
「「「「…ツーショット撮影会?」」」」
「はい。なので、我々生徒会からお願いです」

会長は改めて姿勢を正した。

「ツーショット撮影会を開催しませんか?」

「お願いします」と言って会長は頭を下げ、会長に続いて他の5人も「お願いします」と頭を下げた。

修学旅行中は俺達と写真を撮るのは禁止というルールだった。それが不満だったため、ツーショット撮影会を開催してほしい。そんな要望がたくさん届いているそうだ。

「そもそもツーショット撮影会ってどんな感じのやつなの?」

大聖がそう尋ねると、会長は丁寧に説明してくれた。

ツーショット撮影会とは…。
例えば大聖推しの子は大聖の列に並び、自分の番が来たらスタッフ(生徒会メンバー)にスマホを渡し、大聖とツーショットが撮れる。
枚数制限あり。過度な接触は禁止。スタッフに「お時間です」と言われたらすぐに捌けること。
1回ツーショットを撮ってもう1回同じメンバーの列に並ぶのは禁止。違うメンバーならOK。
ツーショットを撮るスタッフ役や、列を整備する係は、生徒会メンバーが務めてくれるらしい。

「ちなみにですね、もう既に校長先生には許可を頂いております」
「「「「マジ!?」」」」

4人のツーショット撮影会を開催するとなると、たくさん人が集まるだろうからという事で、事前にちゃんと校長先生に許可を貰ったらしい。でも掲示板の存在については、ややこしいからとりあえず言わなかったらしい。真面目なのか真面目じゃないのか、よくわからない。

「…どうですか?たくさんのファンの方達のために、ツーショット撮影会、やってくれませんか…?」

少しだけシーンとした。

けれど、すぐに大聖が口を開いた。

「…めっちゃ面白そうじゃん!やろーぜ!?」

え。って思ったけど、まあ大聖なら絶対そう言うだろうなと思ってた…。

律と直希も、きっと…。

「そうだねえ。それでみんなが喜んでくれるなら、やりたいね」
「なんかアイドルみたいでいいね。やりたーい!」

案の定、2人も「やりたい」と言った。

「夢人は?」

…俺は…。
正直、めんどくさいという気持ちが強い。
後輩の女子生徒に言い寄られたり、戸村くんに襲われそうになったり、嫌な記憶しかない…。まあその時は大聖が助けてくれたけど。
でも、今回の場合、もし何かあったら生徒会メンバーが守ってくれそうだし、みんないるし…。
…3人がやりたいって言うなら…。

「…やる。ツーショット撮影会、やる!」

やると言ってしまった…。

「では、4人とも賛同してくださったという事で、ツーショット撮影会の開催が決定しましたね」
「うぇーい!めっちゃ楽しみ!」

俺以外の3人はノリノリだし、生徒会メンバーはどんどん話を進めている…。

でも、1回きりだよね?何回も開催する訳ではない…よね…?

とりあえず、やると言ってしまったからには頑張ろうと思う。

・

その後、家に帰ってからスマホを見たら、直希からメッセージが届いた。

【夢人、本当はツーショット撮影会、嫌なんでしょ?バレバレだよ。無理しなくていいからねー!】

…さすが幼馴染…。やっぱり直希は俺の事わかってるわ…。

〝ピコン〟

あ、なんか律からも来た。

【夢人、無理して引き受けてない?大丈夫?俺らに合わせてくれたように見えたから…】

…律ってやっぱり優しい…。ちゃんと周りを見てる…。

〝ピコン〟

今度は…大聖からだ…。

【夢人!ツーショット撮影会、俺がノリノリで引き受けちゃってごめん!本当は嫌だったりする?もし嫌だったら、明日、ツーショット撮影会自体を断ろ!】

…大聖まで…。大聖って、こういう時、意外と気を遣ってくれるよね…。

3人とも本当に優しいなあ。ちゃんと俺の気持ちも考えてくれている。

でも大丈夫!もう引き受けちゃったし、やると決めたらやる!ちゃんとやる!神対応を心掛ける!

【心配してくれてありがとう。俺はマジで大丈夫!ツーショット撮影会、やります!みんなで頑張ろ!】

3人それぞれにメッセージを返した。

最初聞いた時は確かに嫌だと思ったけど、人生経験だと思って頑張ってみる事にする。