"花"を持たない無能令嬢の身代わり結婚

莉彩(りさ)さま。夕食です」
「ありがとう。置いておいて」
「はい……」
 ずっと、あの手紙のことが頭から離れない。
 手紙の最後には、『このこと、お兄ちゃんには言わないように』と書いてあった。
「私、何かしたかな……」
 なんて、ぼんやり考えながら、スープを飲む。
 ……と、同時に、私は意識を手放した。
 そして、その時ふと思い出した。



 ……睡眠薬を、芽以(めい)さんに回収されていたことを。