"花"を持たない無能令嬢の身代わり結婚

 目が覚めると、そこは自室だった。
 ああ、死ねなかったんだ。
莉彩(りさ)さま……?大丈夫ですか?三日眠っていましたが」
 三日……。
 そっか。
 そうなんだ……。
「すみません。睡眠薬、多く飲んでしまったみたいで」
 もちろん、嘘だ。
 多分、バレているんだろう。
紺野(こんの)さんに伝えないと」
 芽以(めい)さんは、すぐに部屋を出て行く。
 どうして、死ねなかったの……?
 やって来た、紺野(こんの)さんと呼ばれた彼女からは、"薔薇"の香りがした。
 面倒くさそうにしながら、何か書いている。
 足早に出て行く。
 はあ、最悪。
 死ねたら、楽だったのに……。