"花"を持たない無能令嬢の身代わり結婚

 何日経っても、私の立場は変わらなかった。
 ……"花"を持たない無能令嬢。
 いつもと同じ日常が過ぎていく。
 お姉さまが、近くの商家の長男と結婚した、という噂が耳に入ってきた。
 そういえば、あの二人、良い感じだったな、と思う。
 でも、もう私には関係ない話だ。
「そういえば、(せん)さま、また武功を立てられたとか」
「本当にすごいお方。……奥さんは、ハズレですけど」
 使用人たちの嫌味にも、嫌がらせにも慣れた。
 苦しいけれど、それが運命なのだ。