"花"を持たない無能令嬢の身代わり結婚

「……不味い」
 運ばれてきた昼食は、思った通り、全く味がしなくて、とても硬かった。
 やっぱり、"花"を持たない私に、存在意義なんてないんだ。
 悲しくて、でも涙は出ない。

柳瀬(やなせ)家に、無能令嬢はいらないの』

 (みお)さんに言われた言葉が、ずっと頭の中を支配している。

『無能令嬢はいらないの』

『無能令嬢はいらないの』

『無能令嬢はいらないの』

 分かってるよ。
 私は、(せん)さんに相応しくない。
 身代わり結婚なのだ。
 元々、私たちは釣り合っていなかった。
 ただ、それだけ――。