同じクラスの二階堂から、矢野先輩の思い出作りに協力してほしいと頼まれた時、
先輩が転校してしまうことに対する驚きと、
「なんで俺が?!」
という疑問で、頭の中がパニックになった。
が、せっかく推しと話せる権利を手に入れたのだから、それを無駄にするようなもったいないことはしたくない。
「なんで?」は、一旦脇に置いといて、自分にできることを必死に考えた。
Xmasだから、イルミネーションを見ながら歩くとか?
いや、男同士でそれは、先輩の黒歴史になってしまうかもしれない。
思い出作りということは、俺達の生活圏内で立ち寄るような場所に、あえて二人で行くのがいいんじゃないか?
先輩がこの街で過ごした日々を思い出した時に、いつでも笑顔になれるような、そんな優しくてあたたかな思い出を作りたい。
当日、二階堂から指定された待ち合わせ場所は、高校の最寄り駅の改札前だった。
俺は電車通学ではなかったが、半数くらいの生徒がこの駅を利用している。
先輩も、電車通学組だから、この駅で待ち合わせをするのが自然だろうという、二階堂の計らいだった。
待ち合わせ時間は13時だったが、俺は居てもたってもいられず、1時間も前に駅に着いてしまった。
改札前の大きな柱の前で、寒さと緊張で震えながら先輩のことを待った。
Xmasに、憧れの矢野先輩と過ごせるなんて。
年末にやっている、誰かの夢を叶えてくれるTV番組みたいだ。
矢野先輩は13時ぴったりに降臨され、すぐに俺を見つけてくれた。
笑顔で手を振りながら近付いてくる私服姿の推し、眩しすぎる!
「なんかごめんな、急に付き合わせることになって。」
「いえ、大丈夫です。二階堂から話を聞いて、趣旨は理解していますから。」
(なんで俺なのかは、理解できていないが)
「うん、雅玖が勝手に決めたんだけど、転校したらここ来ることもなくなるだろうし、思い出作りってのも、アリだなって思って。」
「はい。なので、先輩がよく行く場所を一緒に回りませんか?
部活が休みの日は、どこで遊んでました?」
「そうだな…ゲーセンとかカラオケとか、ちょっと回り道して、若葉台公園とか。」
「じゃあ、とりあえずゲーセン行きましょうか。
俺も、前はしょっちゅう行ってました。」
俺は歌が得意ではないので、申し訳ないがカラオケは聞こえなかったことにした。
それにしても、超人見知りな俺が、
『今までまともに会話したことのない先輩と、1日一緒に過ごす』
という、難易度の高いミッションを課せられているのに、意外とすんなり話せていることが不思議だ。
先輩の話し方が、意外と柔らかくて、心地よい声質だからだろうか。
無理しなくても大丈夫だと思わせてくれる、包容力を感じる。
ドキドキとワクワクで、テンション上がりっぱなしのファンミがスタートした。
先輩が転校してしまうことに対する驚きと、
「なんで俺が?!」
という疑問で、頭の中がパニックになった。
が、せっかく推しと話せる権利を手に入れたのだから、それを無駄にするようなもったいないことはしたくない。
「なんで?」は、一旦脇に置いといて、自分にできることを必死に考えた。
Xmasだから、イルミネーションを見ながら歩くとか?
いや、男同士でそれは、先輩の黒歴史になってしまうかもしれない。
思い出作りということは、俺達の生活圏内で立ち寄るような場所に、あえて二人で行くのがいいんじゃないか?
先輩がこの街で過ごした日々を思い出した時に、いつでも笑顔になれるような、そんな優しくてあたたかな思い出を作りたい。
当日、二階堂から指定された待ち合わせ場所は、高校の最寄り駅の改札前だった。
俺は電車通学ではなかったが、半数くらいの生徒がこの駅を利用している。
先輩も、電車通学組だから、この駅で待ち合わせをするのが自然だろうという、二階堂の計らいだった。
待ち合わせ時間は13時だったが、俺は居てもたってもいられず、1時間も前に駅に着いてしまった。
改札前の大きな柱の前で、寒さと緊張で震えながら先輩のことを待った。
Xmasに、憧れの矢野先輩と過ごせるなんて。
年末にやっている、誰かの夢を叶えてくれるTV番組みたいだ。
矢野先輩は13時ぴったりに降臨され、すぐに俺を見つけてくれた。
笑顔で手を振りながら近付いてくる私服姿の推し、眩しすぎる!
「なんかごめんな、急に付き合わせることになって。」
「いえ、大丈夫です。二階堂から話を聞いて、趣旨は理解していますから。」
(なんで俺なのかは、理解できていないが)
「うん、雅玖が勝手に決めたんだけど、転校したらここ来ることもなくなるだろうし、思い出作りってのも、アリだなって思って。」
「はい。なので、先輩がよく行く場所を一緒に回りませんか?
部活が休みの日は、どこで遊んでました?」
「そうだな…ゲーセンとかカラオケとか、ちょっと回り道して、若葉台公園とか。」
「じゃあ、とりあえずゲーセン行きましょうか。
俺も、前はしょっちゅう行ってました。」
俺は歌が得意ではないので、申し訳ないがカラオケは聞こえなかったことにした。
それにしても、超人見知りな俺が、
『今までまともに会話したことのない先輩と、1日一緒に過ごす』
という、難易度の高いミッションを課せられているのに、意外とすんなり話せていることが不思議だ。
先輩の話し方が、意外と柔らかくて、心地よい声質だからだろうか。
無理しなくても大丈夫だと思わせてくれる、包容力を感じる。
ドキドキとワクワクで、テンション上がりっぱなしのファンミがスタートした。
