転校してから、オレの日常は一変した。
授業の後、事務所で歌とダンスのレッスン。
映画やドラマのオーディション。
身体のメンテナンス。
毎日やることがあって、ゆっくり休む暇がない。
グループのメンバーの中には、小学生の頃からダンスをやっているやつもいれば、オレ同様、芸事は未経験で、スカウトされて入ってきたやつもいる。
長期間グループを存続させるには、協調性ゼロではやっていけない。
その辺は事務所側も、しっかり見極めてメンバーを選抜したのだろうと思う。
おかげで、メンバー同士それぞれの個性を尊重し合い、デビューに向けて切磋琢磨できている。
八神にも話した通り、総じて、恵まれた環境で仕事ができていると思う。
だからこそ、皆の足を引っ張らないよう、必死にくらいついていくしかなくて、己との戦いの日々に疲労感が蓄積されていく。
そんな中、八神から毎日送られてくる何気ない日常報告が、オレの癒しになっていた。
八神とのチャットは、居心地の良いホームのような空間になっていた。
だから、心身共に疲れきっていると自覚したあの日、八神に会いたいと強く思った。
その日は、レッスン後に事務所の人からリーダー任命の話を聞き、八神を待たせてしまった。
八神はオレのことを、
芸能人オーラがハンパないって言うけれど、八神の癒しオーラもハンパない。
カフェの奥の席に座っている八神を見つけた瞬間、真冬の野外で温かい飲み物を口にした時のような、じんわりとした心地よさが、胸に広がった。
忙しくて、八神に伝えきれていなかったオレの近況や、ちょっと愚痴っぽい話なんかを聞いてもらっているうちに、少しずつ気持ちが軽くなっていくのを実感した。
だけど、八神が俺のことを励まそうとすればするほど、強烈な違和感を覚えた。
八神はオレのことを、リアルな友人ではなく、憧れの芸能人として見ているのだろうか?と疑問に思うような発言が多い。
ナーバスになっているオレを元気づけようと、必死なのは伝わるし、ありがたいのだが、今オレが求めているのはもっと身近で、生々しい関係性だ。
そのことを、八神に説明する余裕がなかったせいもあって、つい、
「八神は、オレのファンなの?」
と責めるような言い方をしてしまった。
八神を困らせたくはないが、以前からずっと、オレの好きと八神の好きは違うのではないかと、気になっていたから、止められなかった。
授業の後、事務所で歌とダンスのレッスン。
映画やドラマのオーディション。
身体のメンテナンス。
毎日やることがあって、ゆっくり休む暇がない。
グループのメンバーの中には、小学生の頃からダンスをやっているやつもいれば、オレ同様、芸事は未経験で、スカウトされて入ってきたやつもいる。
長期間グループを存続させるには、協調性ゼロではやっていけない。
その辺は事務所側も、しっかり見極めてメンバーを選抜したのだろうと思う。
おかげで、メンバー同士それぞれの個性を尊重し合い、デビューに向けて切磋琢磨できている。
八神にも話した通り、総じて、恵まれた環境で仕事ができていると思う。
だからこそ、皆の足を引っ張らないよう、必死にくらいついていくしかなくて、己との戦いの日々に疲労感が蓄積されていく。
そんな中、八神から毎日送られてくる何気ない日常報告が、オレの癒しになっていた。
八神とのチャットは、居心地の良いホームのような空間になっていた。
だから、心身共に疲れきっていると自覚したあの日、八神に会いたいと強く思った。
その日は、レッスン後に事務所の人からリーダー任命の話を聞き、八神を待たせてしまった。
八神はオレのことを、
芸能人オーラがハンパないって言うけれど、八神の癒しオーラもハンパない。
カフェの奥の席に座っている八神を見つけた瞬間、真冬の野外で温かい飲み物を口にした時のような、じんわりとした心地よさが、胸に広がった。
忙しくて、八神に伝えきれていなかったオレの近況や、ちょっと愚痴っぽい話なんかを聞いてもらっているうちに、少しずつ気持ちが軽くなっていくのを実感した。
だけど、八神が俺のことを励まそうとすればするほど、強烈な違和感を覚えた。
八神はオレのことを、リアルな友人ではなく、憧れの芸能人として見ているのだろうか?と疑問に思うような発言が多い。
ナーバスになっているオレを元気づけようと、必死なのは伝わるし、ありがたいのだが、今オレが求めているのはもっと身近で、生々しい関係性だ。
そのことを、八神に説明する余裕がなかったせいもあって、つい、
「八神は、オレのファンなの?」
と責めるような言い方をしてしまった。
八神を困らせたくはないが、以前からずっと、オレの好きと八神の好きは違うのではないかと、気になっていたから、止められなかった。
