神社には腰を下ろせるベンチがなかったため、先輩が通ってきた裏参道をくぐってすぐの所にある、植物園に移動した。
ここは、様々な草花が見られる市営の施設だ。
エントランスの近くにある温室の中には、熱帯の植物がワサワサと生い茂っている。
ちょうど二人で休憩できる椅子とテーブルが置いてあり、そこで話すことにした。
植物たちのおかげで、外からは俺たちの姿は見えない。
「てかさ、八神もっと連絡しろよ。
いつもオレからじゃん?」
超絶忙しいであろう先輩の負担になってはならぬ、という配慮もあったが、それよりも、自分から連絡する勇気が出せなかったことを、秒で反省した。
「します!今日から毎日連絡します!
でも、先輩が忙しかったり疲れている時は、絶対にスルーしてください。」
「わかった。」
クスッとニヤッの中間の、この先輩の表情が俺は大好物だ。
これでご飯10杯イケる。
「先輩、新しい環境はどうですか?」
「うん、とりあえず人には恵まれてると思う。
今の高校はオレ以外にも芸能活動してるヤツがいるから、変に注目されることもないし。
仕事は、まだはじめたばかりでよくわからないけど、事務所の大人達は、まあ信頼できそうかな。」
「良かったです。人間関係大事ですもんね。」
「でも」
先輩は少し疲れたように目を伏せた。
「気を遣わない関係ではないから。
前の高校の仲間とは、全然違うかな。」
一般人の俺の勝手な憶測だが、好感度至上主義の令和の芸能人が、あからさまな意地悪をすることはそうないだろう。
また、コンプラ重視の世の中で、事務所の大人が所属タレントに、昭和レベルのパワハラをすることもないだろう。
でも、だからといって甘い世界ではないことには変わりないと思う。
新しい環境に慣れようと、先輩が神経をすり減らしていることは想像に難くない。
「俺には気を遣わないで、愚痴でもなんでも話してください。
雑に扱ってくれて構わないんで。」
「ありがとう。
じゃあ、まず八神がオレに気を遣い過ぎるのをやめようか?」
「先輩は、神なんで、気を遣わないとかムリです…。」
「八神って、オレのこと好きなの?
それともやっぱり推しみたいなもんなの?」
「好きな人であり、推しであり、神です。」
「よくわかんないけど、もっと肩の力抜いてほしい。」
そう言って、先輩は俺の冷えた手を、両手で握って温めてくれた。
「八神がそのスタンスを変えてくれないと、これって握手会じゃん?」
ここは、様々な草花が見られる市営の施設だ。
エントランスの近くにある温室の中には、熱帯の植物がワサワサと生い茂っている。
ちょうど二人で休憩できる椅子とテーブルが置いてあり、そこで話すことにした。
植物たちのおかげで、外からは俺たちの姿は見えない。
「てかさ、八神もっと連絡しろよ。
いつもオレからじゃん?」
超絶忙しいであろう先輩の負担になってはならぬ、という配慮もあったが、それよりも、自分から連絡する勇気が出せなかったことを、秒で反省した。
「します!今日から毎日連絡します!
でも、先輩が忙しかったり疲れている時は、絶対にスルーしてください。」
「わかった。」
クスッとニヤッの中間の、この先輩の表情が俺は大好物だ。
これでご飯10杯イケる。
「先輩、新しい環境はどうですか?」
「うん、とりあえず人には恵まれてると思う。
今の高校はオレ以外にも芸能活動してるヤツがいるから、変に注目されることもないし。
仕事は、まだはじめたばかりでよくわからないけど、事務所の大人達は、まあ信頼できそうかな。」
「良かったです。人間関係大事ですもんね。」
「でも」
先輩は少し疲れたように目を伏せた。
「気を遣わない関係ではないから。
前の高校の仲間とは、全然違うかな。」
一般人の俺の勝手な憶測だが、好感度至上主義の令和の芸能人が、あからさまな意地悪をすることはそうないだろう。
また、コンプラ重視の世の中で、事務所の大人が所属タレントに、昭和レベルのパワハラをすることもないだろう。
でも、だからといって甘い世界ではないことには変わりないと思う。
新しい環境に慣れようと、先輩が神経をすり減らしていることは想像に難くない。
「俺には気を遣わないで、愚痴でもなんでも話してください。
雑に扱ってくれて構わないんで。」
「ありがとう。
じゃあ、まず八神がオレに気を遣い過ぎるのをやめようか?」
「先輩は、神なんで、気を遣わないとかムリです…。」
「八神って、オレのこと好きなの?
それともやっぱり推しみたいなもんなの?」
「好きな人であり、推しであり、神です。」
「よくわかんないけど、もっと肩の力抜いてほしい。」
そう言って、先輩は俺の冷えた手を、両手で握って温めてくれた。
「八神がそのスタンスを変えてくれないと、これって握手会じゃん?」
